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癌患者さん為の食生活のポイント
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サプリメントが理想的に働くには
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砂糖の本当の問題は低血糖症
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電子レンジの恐るべき弊害
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日本では問題にされないマーガリンの害
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私たちは知らぬ間に油漬けにされている
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死んだ医者は嘘をつかない
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サプリメントを飲み続けてもなぜ健康になれないのか
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摂取不足に加え、過剰消費しているミネラル
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ミネラル・ビタミン欠乏症がもたらす恐怖
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病院へ行き続けるか、それとも食生活・栄養を見直すか
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かつての日本食こそ「最高の健康食」
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キレる子ども、引きこもり、ニートになる最大の原因は、「ビタミン・ミネラル不足」
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食事改善で学力がアップした!
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冷え性は、「万病の元」
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「遺伝」はサプリメント、普段の食事で十分カバーできる
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少子化の本当の原因
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砂糖の本当の問題は低血糖症
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広島の焼け野原に芽を出した麦の強さ
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みなさんの知らない栄養の可能性と怖さ
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癌患者さん為の食生活のポイント
アメリカなどのドクターたちが癌患者さんへアドバイスする食生活のポイントを紹介します。
白砂糖・精製された小麦粉は食べないこと
カロリーだけの食品は、体内で無酸素のままエネルギーになります。
この無酸素のエネルギーを好むのが癌細胞であると、ノーベル生理学・医学賞受賞のオットー・ワールブルク博士も発表しています。
肉類・乳製品は避けること
癌患者さんの体内では、大変な戦いが行われています。
免疫細胞は癌細胞をやっつけるために、必死に頑張っています。
そこへ肉や乳製品が入っていくと、十分に消化されなかったタンパク質が摂取され、このタンパク質を免疫細胞は敵とみなして攻撃する可能性があるといわれています。
癌と戦わなければならないときに、自分が食べたものと戦っている場合ではないでしょう。
動物性脂肪・リノール酸などの食用油を避けること
私たちの食生活はオメガ6の過剰摂取が大きな問題となっています。
オメガ3、6、9の摂取バランスをよくすることが大切で、これを崩すことは免疫低下にもつながるとされています。
食品添加物・保存料・農薬などは可能な限り体内に入れないこと
塩分は極力ゼロにすること
電子レンジは使用しないこと
以上の注意点を守り、食事は和食メニューにするとよいでしょう。
そしてどの食品を摂るにしても、植物ミネラルと植物栄養物質を体力回復の基礎として摂取することが、効果を上げることになると実感しています。
最後にもうひとつ、「楽しく、笑いのときを過ごす」ということも大切です。
笑うことは、どんな心理療法よりも効果的です。
最近の研究では、免疫力がアップすることも科学的に証明されています。
笑いこそが最高の薬であり、サプリメントなのかもしれません。
サプリメントが理想的に働くには
私たち現代人にとって、栄養というものがいかに大切か、そして、どのような栄養素を摂取し、健康に留意すべきなのか、当サイトを御覧頂いているみなさんには、もうおわかりいただけたと思います。
下がり続ける出生率、増え続ける癌患者、家に引きこもる子どもたち……、栄養は、体にも心にも、非常に大きな影響を与えます。
ロジャー・ウイリアムス博士が仰るように、私たちは、私たちが食べたものそのものだからです。
これまでに述べてきたように、私たちに最も不足し、健康の土台となる最も大切な栄養素は、ミネラルとビタミン、そして植物栄養物質です。
ですから、可能な限り無農薬の野菜や果物、穀類を摂ること、そして足りない分を植物ミネラルや緑汁・赤汁などのサプリメントで補うことが非常に重要になってくるのです。
では、今の私たちに最も必要なサプリメントとは、植物ミネラルであり、線汁・赤汁なのでしょうか?
サプリメント療法の第一人者として知られるジョナサン・ライト博士は、次のようなことを語っています。
「ビタミンAはどの疾患に効き目があり、亜鉛はどの症状の治療に効果があり、チロシンは……、といった具合に、それぞれの栄養素はすべて重要なものである。
しかし、栄養素のサプリメントは栄養生化学療法の主役ではない。
むしろ、最後の手段といったほうが当たっている。
サプリメントが理想的に働くためには、そのための土台がしっかりと築かれている必要がある。
添加物などを加えられていない自然な食品で毎日の食事を組み立てることがステップ1、
食べた食品が支障なく消化・吸収されていることを確認することがステップ2、
食品にアレルギーなどの過敏性があればそれを解決するのがステップ3である。
たいていの場合、このステップ1から3へと進むあいだに患者の抱えている問題は半分以上解決されてしまう。
どんな場合でも、毎日の食事の内容はサプリメントより重要である」
現代の私たち日本人にとって、植物ミネラルや緑汁・赤汁は最良の「ミネラル・植物栄養物質摂取法」といえます。
しかし、食物から摂取できない栄養素をサプリメントで補給できても、それは日本人の栄養不足を根本的に解消できたことにはなりません。
農地から窒素・リン酸・カリウム以外のミネラルが枯渇し、農作物の栄養価は低下の一途をたどり、いっこうに上がらない自給率と栄養に関する意識の低下は食環境・食生活をますます歪なものに変えていっています。
このままでは − あるいはすでに − ジョナサン・ライト博士のいう「ステップ1からステップ3」を実践することは不可能です。
サプリメントですべての栄養素を摂ることはできません。
私たちは今まさに、日ごと健康の土台を失っているのです。
現代の私たちが健康になるために、最も大切なことはサプリメントを摂ることではありません。
一日も早く新しい日本の農業を再生すること、そして栄養に関する意識と知識を高めることです。
植物ミネラルを摂ることではなく、植物ミネラルを摂らなければ健康になれないような現状を把握することです。
砂糖の本当の問題は低血糖症
近年、「甘いものを食べると太る」「虫歯になる」などの理由から、家庭での砂糖使用量は減少しています。
では、砂糖摂取量が少ないかといえば、そんなことはありません。
スポーツ飲料水や清涼飲料水には砂糖が大量に使用されていますし(500mlで30〜70g程度)、若い女性のケーキ好きには驚くばかりです。
また、加工品に使用されている砂糖などは、意識していない人も多いのではないでしょうか。
ここで、ひとつ面白い例を紹介しましょう。
かつて、福神漬けはA社が業界最大手だったのですが、やがてB社にその地位を完全に奪われました。
B社が何をしたかというと、実は福神漬けに砂糖を入れただけなのです。
甘くしたらおいしい − その発想が、私たちの知らないところで、気づかないうちに健康を害されているということをご存知でしょうか?
砂糖の摂取の一番の問題点は、実は太ることでも虫歯になることでもありません。
以前も紹介したように、体内のミネラルを奪うこと、そして低血糖症を引き起こしてしまうことです。
「高血糖症の糖尿病なら知っているが、低血糖症なんて知らない」という人が多いようですが、低血糖症は気づかれないまま日本人に増加しています。
おそらく高血糖症である糖尿病が年々増加していることはみなさんもご存知だと思いますが、低血糖症は高血糖症の前駆症状でもあります。
そしてその症状は実にさまざまです。
低血糖症は、その名の通り、血液中の血糖レベルが急に低くなる病気ですが、その原因は「三日」だといわれています。
三日とは、砂糖、白米、自パンといった精製され過ぎた食品のことです。
精製された食品の何がいけないのかと思うかもしれませんが、ひとつには精製されていなければバランスよく摂取できるはずのビタミン・ミネラルがすべて排除されてしまうこと、そしてもうひとつが消化吸収のよすぎることです。
疲れたときに甘いものを食べると、急に疲れがとれたような気になるのも、砂糖はすぐに体に吸収されて血液中に出てくるためですが、実はこれがよくないのです。
それは人体の自然な消化吸収のスピードに比べて早すぎ、それが低血糖症の原因になっているのです。
体に入った砂糖はあっという間に吸収され、血糖値が急激に上がります。
するとそれを正常なレベルに戻すために、体はインシュリンを大量に分泌してしまいます。
本来、人体は自然な食品のゆっくりした消化吸収に合うようにできているため、この早すぎる吸収に直面した人間の体は、インシュリンを必要以上に分泌してしまうのです。
その結果、血糖値を逆に下げすぎてしまい、低血糖症が起きてしまいます。
低血糖症の症状
−(身体的症状)−
- ・時々、目がかすみ物が二重に見える
- ・日光がまぶしい
- ・午前中や食前に頭がふらついたり、目まい、ふるえがある
- ・強い立ちくらみや、気の抜けた状態になることがある
- ・朝のうち、非常に消耗しきった感じがする
- ・強い疲労感、体の衰弱感がある
- ・一日のうちで、午前中と夕方、非常に気弱になる
- ・たくさん食べた後、心身共に最も満足感がある
- ・甘いものやでんぷん質のものを食べた後気分が弛緩し眠くなる
- ・昼間、非常に眠くなる
- ・夜、熟睡できない
- ・夜中に一一度目が覚めると眠れなくなる
- ・眠りは深いが目覚めた時爽快感がない
- ・寝汗をかく
- ・朝、目覚めた時、虚脱感におちいる
- ・アルコール、コーヒー、タバコ、薬などの刺激剤が必要
- ・甘菓子類や清涼飲料をとった後、気分がよくなる
- ・甘い菓子類やコーヒーをとった後、気分が悪くなる
- ・便秘しがち
- ・腹部に痛みがある
- ・便秘と下痢を交互にくり返す
- ・乗りもの酔いしやすい
- ・食欲がまったくない
- ・時々、激しい食欲が湧く
- ・オーバーウェイト
- ・いつも消化不良気味である
- ・しばしば腹部が張る
- ・少量の酒ですぐ酔う
- ・非常に塩分が欲しくなる
- ・激しい頭痛がある
- ・時々、左肩から首にかけて、または首の後ろが痛む
- ・暑さに非常に弱い
- ・手足がむくむ
- ・口中が渇く
- ・皮膚にトラブルがある
- ・手足が冷える
- ・ひどく汗をかく
- ・興奮すると手に汗をかく
- ・皮膚が乾いてザラザラしている
- ・汗をかくのは脇の下と興奮時の掌だけ。他はかかない
- ・手足の感覚がなくなる感じがする
- ・唇や指にちりちりした感じがある
- ・時々、夜中に汗をかいて目が覚めることがある
- ・アレルギー体質でぜんそく
- ・時々、心臓の鼓動が早くなる
- ・時々、体の中でふるえが起こる
- ・風邪をひきやすい
- ・感染症にかかりやすい
- ・関節に痛みがある
- ・時々、筋肉がひきつる
- ・時々、けいれんを起こす
- ・水をあまり飲まない
- ・コーヒーや紅茶を毎日多量に飲む
- ・アルコール類を毎日飲む
- ・チェイン・スモーカーである
−(精神的症状)−
- ・しばしば心が空白になる
- ・頭の中が混乱しやすい
- ・忘れっぽい
- ・集中力がなくなる
- ・仕事や勉強の成績が並み以下になる
- ・カッとしやすい
- ・感情をコントロールするのがむずかしい
- ・性的欲望が過度に強い
- ・男性はインポテンツ、女性は不感症になる
- ・物事をきちんとすることや身だしなみに無関心になる
- ・仕事に飽きっぽい
- ・忍耐することが、まったくできない
- ・何か特定のことに苛立つ
- ・気分がふさいで沈みこむ
- ・仕事に興味が持てない
- ・生きることに意欲を持てない
- ・ひどく神経質である
- ・人生に目的がなくなったように感じる
- ・いつも悩み、恐れを感じているがその原因が不明
- ・切迫した危機感がある
- ・強い緊張感がある
- ・理由のない恐怖に捉われる
- ・いつも泣き出さずにはいられない気持ちになる
- ・気持ちがいつも落ち着かない
- ・自殺したい誘惑にかられる
- ・理由もなく暴力をふるいたくなる
- ・理由もなく他人を傷つけたくなる
- ・社会に対して復讐がしたくなる
低血糖症は、表にあるように精神的にも肉体的にも症状をあらわします。
そしてインシュリンを無理して大量に生産していた膵臓は、やがて疲れてしまい、ついには必要な量のインシュリンも出せなくなってしまう危険性があります。
こうして低血糖症から高血糖症である糖尿病になってしまうのです。
このことは世界的な常識といえるでしょう。
アメリカの精神科医であるマイケル・レッサー博士は、アメリカ上院栄養問題特別委員会でこんなことまで述べています。
「テレビの暴力番組が子どもに悪影響を与えるというのは一見本当そうだが、あまりにも通俗的な解釈だ。
それより悪いのは、甘い菓子などのコマーシャルのほうである」
電子レンジの恐るべき弊害
今やすっかり定着してしまったコンビニエンスストアの弁当はどうでしょうか。
2003年のコンビ1哀界の市場規模は約7兆3000億円、うち約4分の3は弁当や総菜、パン、カップラーメンなどの食品とされています。
「コンビニ弁当は体によくないんだろうな……」と、誰もが漠然と思っていると思いますが、素材に関していえば、大手コンビニはチェックが厳しく、他の加工食品や下手な外食よりもいいくらいです。
ただし、もちろん栄養バランスは悪いですし、食品添加物も使用されています。
日本では食品衛生法により約1500種類の食品添加物が認可されていますが、なかには過去の経験則から安全と判断され、いまだ未試験のものが数百種類もあるのです。
過去には、「コウジ酸」や「アカネ色素」など、後に発癌性が確認され、認可が取り消された例もあります。
しかし食品添加物については、今では多くの人が「できれば摂りたくない」と認識していることでしょう。
ところが、実はコンビニ弁当にはそれ以上に大きな問題があります。
それは電子レンジの使用です。
つまりこれはコンビニ弁当に限らないわけですが、電子レンジで加熱したタンパク質を食べるのが危険であると、どれだけの方がご存知でしょうか?
タンパク質を構成するアミノ酸は、その構造からL型とD型(鏡像の関係にある)の2種類に分けられます。
しかし、この地球上に存在する生物のアミノ酸は、すべてL型です。
人間はもとより、植物も動物もすべてがL型のアミノ酸によってできています。
ところが電子レンジを使うと、タンパク質はD型に変わってしまいます。
このことは、ノーベル賞を2度受賞している故ライナス・ポーリング博士が、今から20年も前に指摘していることです。
また、心臓病治療で有名なリー・カウデン医学博士も、同じことを言っています。
アミノ酸がL型からD型に変化したらどうなるのでしょうか? 地球人である私たちには、このD型のアミノ酸を使うことができません。
もしD型のアミノ酸が体に入ってきたら、使い道のない異物が入ってきただけのことになります。
東京女子医大のある先生が、
「若年のアルツハイマー患者の血管内の血流を調べてみると、何かゴミのような異物が浮いているようだ。
これは不要なタンパク質である可能性が高い」
と言っています。
不要なタンパク質などというものが、なぜ存在するのでしょうか。
これは、私は電子レンジでL型からD型に変わってしまったアミノ酸が役に立たずにウロウロしているのではないかと思うのです。
コンビニ弁当を電子レンジにかけたら、L型タンパク質の何割がD型に変化してしまうのか、それはわかりません。
いまだ実験データがないのです。
なぜこれほどの問題を、誰も真剣に取り組まないのでしょうか?
業界団体の圧力があるのでしょうか?
現在の電子レンジの普及率を考えると悲観的にならざるを得ませんが、私は今後もこの間題について広く訴えていきたいと思います。
この役に立たないD型アミノ酸は、便利さとおいしさばかりを優先した食生活のために生まれました。
そしてライナス・ポーリング博士はどの人がこの間題を指摘していながら、無視し続けてきたのです。
みなさんが電子レンジの使用を控え、各研究機関や企業がこの間題について調査してくれることを切に願います。
日本では問題にされないマーガリンの害
脂肪酸については、忘れてはならない問題があります。
加熱しない自然の状態にある脂肪酸の型を「シス型」といいますが、これを加熱処理することでねじれた「トランス型」に変化してしまうことがわかっているのです。
すでにトランス型になっている脂肪酸の製品に、マーガリンとショートニングがあります。
以前、植物性だからバターよりマーガリンが体にいいと宣伝された時代がありましたが、生化学の研究者たちの貢献で、トランス型を体に摂り入れると、このトランス脂肪酸は何の役にも立たない不要の異物として体内に居座るばかりか、体にさまざまな害をもたらすとされています。
いまだにマーガリンが体によいと喜んで愛用している国は、先進国では日本だけです。
また、日本ではこうした害のあるマーガリンがクッキーやパン、ケーキ、スナック菓子、レトルトカレーなどさまざまな加工食品にも使われています。
厚生労働省は「第6次改訂 日本人の栄養所要量」にて、「トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDLコレステロール濃度の低下など、動脈硬化の危険性が増加すると報告されている」という警告文が出ましたが、どれだけの方がこのことをご存知でしょうか?
しかも食品業界、食用油業界に配慮したのか、警告文の表現を緩やかにしているのがありありとわかります。
欧米諸国の多くでは、当然これよりも格段に厳しい警告が出されており、ある一定以上のトランス型脂肪酸を含む製品を販売禁止にしたり、含有量表示を義務づけたりしています。
また、最近ではトランス型の脂肪酸を含まない新しいマーガリンが、「トランス・ファット・フリー」と表示されて販売されるようになりました。
ここでもうひとつ、トランス型脂肪酸の害について、日本人の認識がいかに遅れているかを示す事例を紹介しましょう。
アメリカのマクドナルド社は、2002年9月に「今後は心臓疾患などの原因とされるトランス型脂肪酸を減じた食用油を用い、2003年2月までにその作業を終える」と公表しました。
つまり、トランス型脂肪酸を減らすことが、消費者への大きな宣伝になるわけですから、この時点で消費者の認識が日本とは大きく違うことがわかります。
しかし残念ながら、マクドナルド社は2003年2月までに油の切り替えができず、そのことを適切に公表しませんでした。
その結果、「事実の公表が不十分で、利用した消費者に損害を与えた」と訴訟を起こされ、2005年2月、裁判所はマクドナルド社に全米心臓協会への寄付金など計850万ドル(約9億円)の支払いを命じたのです。
これだけ世界中でその害が常識とされていながら、なぜ日本では何の規制も知識の普及もなされていないのでしょうか?
国民の健康は二の次で業界団体の顔色ばかりうかがう厚生労働省は情けないとしかいいようがありません。
今よりも健康になりたいと思う方は、マーガリンやショートニングは避け、加熱調理する際にはサラダ油ではなく酸化しにくいオリーブ油(オメガ9)を使用してください。
そして外食や加工食品を控えるのはもちろん、肉ではなく魚を食べ、オメガ3の摂取割合を増やすべきです。
オメガ3のEPAはDHAに変化し、子どもの脳の成長と発達に欠かせない栄養素となりますから、妊娠中や授乳中にはさらに注意する必要があります。
私たちは知らぬ間に油漬けにされている
ミネラル不足と同じくらい大きな問題として挙げられるのが、「サラダ油の過剰摂取」です。
現代人の摂取している油がいかに健康を害しているか − その説明に入る前に、いかに私たちが、私たちの知らないところで相当量の油を口にさせられているかについて紹介しましょう。
これは私が以前、某有名ファミリーレストランで朝食を食べたときの話ですが、出されたシャケがあまりに脂が乗っていたので、「これ、ものすごい脂ですね」と聞いたことがあります。
するとウエイトレスの女性が「ええ、前日から油につけてありますから」と答えたので唖然としてしまいました。
それが体に悪いことだと気づいていないのも驚きですが、こういう店ではシャケをサラダ油に漬け込んでおくものだということを、このとき初めて知りました。
また、みなさんは外食でネギトロ井を食べたことがあるでしょうか?
ネギトロ井に使われているマグロの多くは、実は脂身のないパサパサの輸入物です。
ところが、それにサラダ油を混ぜてトロのような味に仕上げているのです。
まだあります。
みなさんがもしお店で焼き鳥を食べるときには、ぜひ焼いているところを観察してみてください。
多くの店では、霧吹きでサラダ油をかけているはずです。
また、最近は豚骨ラーメンが人気ですが、あのギトギトの油はスープに業務用の酸化したラードをあとからたっぷり加えています。
本来、豚骨ラーメンというのは、豚骨を煮込んで出したスープのはずですが、私たちが食べている豚骨ラーメンの多くはそうではないのです。
また、ラーメンはものすごい量の化学調味料を入れている店が多いのも問題です。
私たちは、食生活の欧米化とともに油の摂取量が非常に増えていますが、それに加えて、自分たちの知らないところでも実はものすごい量の油が使われているのです。
前記はごく一例だと考えてください。
「油の摂りすぎはよくない」ということは、おそらく多くの人が認識していることだと思います。
しかし、外食や加工食品を摂っているかぎり、油の摂取量を減らすのは不可能です。
そして油の過剰摂取がどれほど問題かということを、私たちはもっと知る必要があります。
オメガ6の過剰摂取が子どもたちに与える恐怖
それではここで、脂質について簡単に勉強しましょう。
脂質の主な構成成分となっているのは「脂肪酸」です。
脂肪酸は炭素と水素と酸素からできており、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。
液体のような脂肪酸である不飽和脂肪酸は、以前はひとくくりにされていましたが、現在は炭素同士がどこで二重結合しているかと形状上の違いで、3種類に分けて考えられるようになりました。
不飽和脂肪酸のうち、二重結合が1ヶ所のものがモノ(単価)不飽和脂肪酸で、オメガ9と呼ばれます。
これに対し、二重結合が2ヶ所以上のものを多価脂肪酸といいます。
これは炭素原子の終わりから何番目が二重結合しているかでさらに2種類に分かれ、終わりから3番目のものがオメガ3、6番目のものがオメガ6です。
つまり、不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6、オメガ9の3種類に分けられます。
オメガ3は、α−リノレン酸、EPA、DHAなどで、亜麻仁油、シソ油といった油脂に多く含まれています。
オメガ6は、リノール酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸などで、多く含む油脂としては紅花油やヒマワリ油、大豆油、コーン油、綿実油、月見草油など、オメガ9はオレイン酸で、多く含む油脂としてはオリーブ油、菜種(キヤノーラ)油などが挙げられます。
ちなみに、サラダ油と呼ばれるものは、大豆油やコーン油、菜種油、オリーブ油、綿実油などから数種類をブレンドしたものですから、オメガ6が主体になります。
脂肪を上手に摂取するには、このなかでオメガ3と6のバランスが非常に重要になります。
その割合を、1対1に保てればよいのですが、1対2〜1対3ぐらいまでは許容範囲といえるでしょう。
ここでみなさんにとくに知っていただきたいことは、このオメガ3とオメガ6の脂肪酸が私たちの体内で、自律神経 交感神経と副交感神経)とホルモンの調節をするという、とても大切な役割を担っていることです。
日本人はもともと油を多量に摂取することはなく、油といえばオメガ3を多く含む魚中心の食生活でしたが、ここ数十年で魚の摂取量は大幅に減り、前述のように油漬けの食生活になってしまったことで、現在では1対10くらいのオメガ6過剰摂取の状態になってしまっています。
オメガ3は、脳細胞や神経細胞、生殖細胞、網膜、副腎などの形成に不可欠とされています。
これが適切に供給されず、オメガ6ばかりになってしまったらどうなるでしょうか?
以前の記事で「キレる」子どもの原因として、ミネラル・ビタミン不足を挙げましたが、この油の問題も原因のひとつではないかと思われます。
また、オメガ6の過剰摂取は、アトピーや喘息、関節炎、リウマチなどの一因ともいわれています。
今から40年前、日本でのイワシの漁獲高は460万トンありましたが、2000年はわずか12万トンでした。
この差もガンや心臓病、アトピー、喘息、関節リウマチなどの患者数の増加と大いに関係があるのではないでしょうか。
さらに、オメガ6のリノール酸は酸化が激しく、これを体内に摂り入れると活性酸素が暴れる環境をわざわざつくることになってしまいます。
今でも忘れることができませんが、1984年6月6日、NHK朝のニュースで恐ろしい事実が報道されていました。
交通事故死をしてしまった子どもたち約400人を北里大学が解剖したところ、5歳児55人中42人(76%)に動脈硬化がみられたというのです。
さらに10歳以上では100%、つまり全員が動脈硬化という結果でした。
この一番の原因と考えられるのが、酸化した油です。
私たちは生まれながらにこうした害のある食生活を強いられ、結果5歳ですでに病気になっているのです。
死んだ医者は嘘をつかない
ワラック博士とは、ロサンゼルスの癌コンベンションにも出ている大変有名なお方です。
博士の決して権力には屈せず自分の信念に従おうという姿勢には本当に頭が下がります。
その一例を挙げますと、博士は日本の厚生労働省に当たるアメリカ食品医薬品局(FDA)などを相手に、次々と裁判を起こしているわけです。
「○○が効かないなんてふざけたことをいうな。
それなら薬が効いているのか! 薬なんて効くどころか害じゃないか!」 という感じですね。
その結果、たとえばセレニウムを含む製品の容器ラベルに、「セレニウムは、いくつかの種類の癌のリスクを減らす場合がある」といった明記を承認させたりしています。
つまり、ワラック博士の訴えが薬事法を変えさせているのです。
また、1999年には『Dead Doctors don't Life』(死んだ医者は嘘をつかない)という非常にセンセーショナルな本を書いて、アメリカの医師から猛反発を受けました。
この本のなかで、ワラック博士は次のようなことを指摘しています。
「一般のアメリカ人の平均寿命が77歳であるのに対し、アメリカの医師の平均寿命は58歳しかありません。
医師が本当に有能で人の命を延ばすエキスパートであれば、彼らこそ長生きできるはずです。
つまり、薬や医学では長生きができません。
彼らの「死んだ」という事実に嘘はつけないのです」
さらに、博士は次のようなことも言っています。
「薬は悪いところを一時的に止めるだけであり、その薬によってさらなる病気が発生することも少なくありません。
本当に病気を治すには、悪い原因の根本を探して、それを治さなければいけません。
薬にはそれができないということを、みなさんに気づいていただきたいのです」
このことは、ロジャー・ウイリアムス博士やマックス・ゲルソン博士、マクガバン・レポートなど、偉大な先人たちが再三指摘してきたことと同様で、私たちの病の元は、それを生み出している私たちの環境にこそ問題があるということです。
ワラック博士は言います。
「自分のことを健康だと思っている人は、まだ病気にかかっていないだけのことです。
悪い状況になっていないだけなのです。
必要な栄養を細胞が摂取できないと、体は次第に劣化していきます。
ですから、サプリメントを摂り始めるのは健康なときが一番です。
これこそが真の予防法であり、深刻な病にかかることを防いでくれるのです」
サプリメントを飲み続けてもなぜ健康になれないのか
近年のサプリメント人気には目を見張るものがあります。
ドラッグストアやコンビニエンスストアには続々と新製品が並び、今や誰もが身近な場所で手軽に購入できるようになりました。
詳しくは後述しますが、最近では植物栄養物質の優れた効果にも注目が集まり、マスコミ報道や企業の新製品開発競争も加熱しています。
しかし残念ながら、その栄養素がもつ本当の力とは別に、現在のサプリメント人気が健康にどのくらい寄与しているかというと、怪しいものです。
栄養教育を受けていない日本人の多くは、みなさんの健康のことなど真剣に考えていない利益追求の企業戦略にはまり、お金をドブに投げ捨てていることでしょう。
私のところへ栄養相談に来る方がよく、「どのサプリメントを飲んだらいいでしょうか? やっぱり合成より天然のほうがいいのでしょうか?」などと質問にいらっしゃいます。
しかしそういう方に逆に私が尋ねるのは、「自分に何の栄養素が足りないのかわかっていますか?」ということです。
すると、多くの方はわからないと答えます。
自分に何が足りないのかわからないのに、なぜサプリメントを飲むのでしょうか?
普段の食事で何を摂り、何の栄養素が足りないのかを考えるでもなく、ただ企業の宣伝を鵜呑みにしてサプリメントを飲んだところで、健康になれるわけがありません。
ほとんどの方が、「合成か天然か」などと考える以前の問題なのです。
ちなみに、「天然なら安全で、からだにいい」などと考える人が多いようですが、それは誤りです。
なかには消費者のそうした思い込みを利用して「天然由来」などという言葉を使い、付加価値をアピールしたものもありますが、たとえ原料が天然でも化学合成してつくられたものは合成品です。
また、安全性についても、安易な天然志向は大変危険です。
たとえば天然のイチョウ葉にはギンコール酸が含まれており、これがかぶれを起こしたり、胃を荒らしたりすることがあります。
合成か天然かで選ぶのではなく、まずは信頼できる企業の製品かどうかを見極めることのほうが大切です。
これまでに報告されている植物栄養物質の主な効果
解毒、抗炎症、抗潰瘍成分、血糖調整成分、活性酸素除去酵素(S.O.D)、末梢血流の改善、血圧安定化成分(植物ステロール)、コレステロール調整成分、脂肪燃焼効果、抗癌作用、精神安定化作用、不定愁訴改善作用、更年期障害改善作用など
摂取不足に加え、過剰消費しているミネラル
みなさんの食生活を振り返ってください。
精白した小麦粉を使ったパンやうどん、白砂糖の入った缶コーヒー、チョコレート、ケーキ、リン酸塩が添加されたハム、ソーセージ、かまぼこ、缶詰、アイスクリーム、スナック菓子、インスタントラーメン、清涼飲料水、etc……、
みなさんは、こうした食品をどれくらい食べているでしょうか?
これらはいずれも、ミネラルに乏しく、ミネラルを体から「奪う」食品です。
私たち現代人の食生活は、ミネラルの摂取不足だけでなく、消費量が激しいことも問題なのです。
とくに加工食品で頻繁に用いられる重縮合リン酸塩という食品添加物は、私たち現代人のカルシウム不足を深刻にしています。
重縮合リン酸塩は、それを加えた物質のカルシウムとリンの比率を変えてしまう性質を持っており、変色防止剤やタンパク質の結着剤、pH調節剤などさまざまな用途で添加されています。
垂縮合リン酸塩の食品添加物としての能力は、1gにつき何mgの炭酸カルシウムを奪うか示した「カルシウムバリュー」という単位で計測されます。
つまり、カルシウムを多く奪うものほど、食品添加物として加工能力が高いと判断されているのです。
世に溢れる重縮合リン酸塩を使用した加工食品は、「加工する代償にカルシウムを犠牲にした食品」というほかありません。
日本人のカルシウム不足は国際的にも有名で、日本人に眼鏡をかけている人が多いのは、カルシウムが足りないので目の筋肉の毛様筋がかたくなり、正常な筋肉の収縮ができずに近視になるのだといわれています。
また、肩こりはカルシウム不足によって誘発されますが、欧米には「肩こり」を指す言葉そのものがありません。
ミネラル・ビタミン欠乏症がもたらす恐怖
みなさん、下を見てください。
ここには、比較的ひんぱんにみられる軽いものから命を左右するほど重いものまで、さまざまな症状や病気がまとめられています。
このなかでみなさんが実際に経験したことのある症状はありませんか?
あるいは今、悩まされているという方はいませんか?
いくつあるかチェックしてみてはいかがでしょう。
神経・精神障害/情緒不安定/集中力欠如/異常知覚/神経の興奮/精神的無感動/精神錯乱/心身衰弱/てんかん/焦燥感/抑うつ症/脳障害/不眠症/発育不全/成長不全/骨格不全/骨多孔症/骨軟化症/幼児の発育遅れ/くる病/骨軟化症/関節炎/成長阻害/頭痛・偏頭痛/腰痛/痴呆/健忘症/早老/消化障害/食欲・活力の減退/慢性便秘/胃腸障害/下痢/肥満/結腸/無力症/慢性疲労・極度の疲労/肩凝り/貧血/低酸素血症/肺動脈塞栓症/静脈癌/血液凝固不全/白血球減少/壊血病/心臓病/心臓障害/心臓発作/呼吸障害/高血圧/低血圧/動脈硬化/コレステロール蓄積過多症/呼吸障害/前立腺肥大/病菌に対する抵抗力低下/平衡感覚障害/筋肉内の出血(青アザ)/筋無力症/筋肉痙攣/筋ジストロフィー/筋肉の収縮機能低下/タンパク質代謝障害/塩分中毒/浮腫/腎障害/副腎皮質障害/腎臓結石/胆石/肝臓障害/肝臓肥大/肝硬変/糖尿病/低血糖症/吐心/潰瘍/甲状腺腫/甲状腺肥大/甲状腺不全/生理痛/月経閉止/更年期障害/不妊症/自然流産・難産・死産/精力減退/生殖力低下/生殖機能障害/眼の炎症/弱視/白内障/光線に対する過敏症/網膜出血/味覚障害/口臭/口角炎/口内炎/虫歯/歯槽膿漏/肌荒れ/湿疹/アトピー性皮膚炎/乾癖/皮膚出血/脂漏性皮膚炎/喘息/皮膚障害(湿疹・発疹・シミ)/灰褐色皮膚色素沈着/シワ(老化現象)/脱毛/フケ症/白髪/癌
実はこれらはすべて、ミネラルやビタミンの欠乏症としてあらわれる症状です。
ミネラルやビタミンがいかに大事であるか、栄養というものがいかに人々の健康を左右するかということが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
もしみなさんが現在、こうした症状に悩まされているとしたら、栄養指導のできない今の日本の病院へ行っても無駄かもしれません。
また、薬を飲み、病院で治療を受けていったんは治ったとしても、食生活を変えなければやがて再び同じ病に苦しむことになるでしょう。
実際、医師に診察してもらったら、「とくに悪いところは見当たらない」とか、「原因不明で特効薬がないから、規則正しい生活を送り、疲れやストレスをためないようにしなさい」などと言われた人もいるのではないでしょうか?
実は私自身も若い頃にそういうことを言われ、
「そんなことを言われても具合が悪いのは本当なのに。お医者さんって案外、頼りにならないなあ」と思った経験があります。
最近では、病院へ行って治療を受けるほどの病気はなくても、「体がだるい」「何となく疲れやすい」「ときどき頭痛がする」というように、非健康的な症状が日常的に続いている「半病人」も急増しています。
これらのほとんどは、ミネラルやビタミンの欠乏症で間違いないはずです。
また、以前は耳にしなかった「ひきこもり」や「キレる」子どもなどについても、ミネラルやビタミンの欠乏が一番の原因でしょう。
今の日本は、現代医学が「病気」と認めてくれない欠乏症だらけなのです。
私たちは病院へ行く前に、まずは何を食べているのか、欠乏症ではないのかを知らなければなりません。
これが、マクガバン・レポートの警告に耳を傾けてこなかった日本の現実です。
栄養というものを軽視し、何の教育もなされない日本において、これからは私たち自身が一般に知られていない栄養のことを学び、賢くならなければなりません。
意識しなければ栄養を摂取できない国で、私たちは生きているのです。
病院へ行き続けるか、それとも食生活・栄養を見直すか
日本の医療について目を向けてみましょう。
昔は病気で亡くなるのは、お金がなくて病院へ行けないか、薬を買えない人だと思われていました。
私が小学生の頃は、近所でお葬式があると、「あそこのおじさんは入院費がなかったから病院へも行けなかったんだ」とか、「あそこのおばさんは薬を買うお金がないから死んでしまったのよ」などと、大人たちが噂していたのを覚えています。
しかし1961年、現在の医療保険制度が施行され、病気になっても保険証を持って病院へいけば、以前より少ない額で医師の診察を受けたり、薬をもらったりすることができるようになったのです。
そのため、まだ子どもだった私は「これでみんな病院へ行けるし、薬も買える。病気で死んだり苦しんだりする人は少なくなるんだ」と喜びました。
実際、世の中はいつのまにか「病気になったら、病院や医院へ行ってお医者さんに診てもらえばいい」「お医者さんが薬や手術で病気を治してくれる」と考えるのが当たり前になり、それは現在でも変わっていません。
さて、それでは医療保険制度が施行されて早45年、その間に医療技術も目覚ましい発展を遂げたわけですが、私たちはどれだけ健康になったでしょうか?
1954年度に調査を開始して以来、日本の国民医療費は確実に増え続けています。
厚生労働省の統計によると、1975年度の国民医療費は約6兆5000億円だったのが、10年後の1985年度には16兆円、さらに5年後の1990年度には20兆円を超え、1999年度にはとうとう30兆円の大台に乗ってしまいました。
その翌年の2000年度だけは前年を割り込んでいますが、これは同年4月に介護保険制度が施行され、前年度まで高齢者医療として国民医療費に含まれていた介護老人保健建設費などの費用が介護保険の対象となり、国民医療費に加算されなくなったためです。
しかし2001年にはそれも上回るほど増加し、国民医療費は31兆3234億円という、過去最高の数字を記録してしまいました。
さて、みなさんはこの事実にどこか違和感を感じないでしょうか?
なぜいつまでたっても − バブルが崩壊し、経済不況が長引いてさえ変わることなく − 国民医療費は上がり続けているのでしょうか?
なぜ誰もが病院へ行けるようになり、より効果的な薬剤が次々と製造販売(戦後だけでもすでに2万種類以上)されているにもかかわらず、病気にかかる人が増え続けているのでしょうか?
私たちはいったいどこで道を誤ってしまったのでしょうか?
ここで、ゲルソン療法の開発者であり、ノーベル賞受賞のシュバイッツアー博士が医学史上の天才と絶賛したことでも有名な、マックス・ゲルソン博士の言葉を紹介したいと思います。
「癌とは癌の腫癌や癌細胞のことではなく、それを生み出すように歪んでしまっている体内環境こそが癌の正体だ」
みなさんは、この言葉を聞いてどう思いますか?
癌患者にとって一番の問題は、癌ではなく、癌をつくった環境こそが問題なのです。
手術で癌を取り除いたとしても、体内環境を − それをつくり出す食生活を中心とした生活習慣を変えなければ、またすぐに再発してしまうことでしょう。
これはもちろん、癌だけに限りません。
病の元を絶とうと思ったら、それはウイルスや細菌から逃れようとするのではなく、自分自身の食生活、摂取する栄養素を変えなければならないのです。
かつてノーベル医学賞候補に名を連ねたこともあるジョエル・D・ワラック博士もまた、次のように語っています。
「栄養は、直接あなたとあなたの家族の心身の健康に影響を与えます。
死に至る慢性疾患や成人病というものは、すべて栄養の欠如からくるのです。
私は国立健康研究所で750万ドルの予算を得て従事していた研究で、454種・1万7500体の動物の解剖と、2000体の人体解剖を行った結果、自然死する動物はすべて栄養の欠如からくるという真実をみつけたのです」
かつての日本食こそ「最高の健康食」
アメリカでは癌が減り続けている
日本という国の愚かさを紹介しましょう。
みなさんは、私たちの現代の食生活で、何が一番の問題だと思いますか?
よくいわれるのは、日本人の食生活の欧米化です。
肉食・脂肪過多の欧米スタイルになってから、大腸癌をはじめとするさまざまな癌や生活習慣痛の発生率が上昇したといわれています。
これは確かに事実です。
1981年に死亡数が16万6399人で死因のトップに立った癌(悪性新生物)は、その後も増加の一途を辿り、2004年には32万315人、全死亡者に占める割合は31.1%まで上昇しました。
今や癌の独走状態で、日本人の約3人に1人は癌で死んでいるのです。
では、癌の元凶たる食生活の欧米化(医学者はそう考えていないかもしれませんが)その本家本元であるアメリカではどうでしょうか。
実は現在、アメリカでは癌の屏息率・死亡率ともに減少しているのです。
1998年に米国癌協会(ACS)や疾病抑制予防センター(CDC)などの合同研究チームが発表した報告書によると、アメリカ国民の癌催患率は1973〜1989年は毎年平均1.2%ずつ増加していたのに対し、1990年以降は減り始め、1990〜1995年は毎年平均0.7%ずつ減少、死亡率も5年間で2.6%(年平均0.5%)低下しました。
こうした傾向は、男女別、年齢層別、人種別に見ても同じです。
1996年以降の調査はまだ発表されていませんが、1992〜1998年では罹患率、死亡率とも年平均1.1%の減少という報告があります。
なにしろ人口の多い大国ですから、1999年には約122万人が新たに癌と診断され、1日に1200人が癌で死亡するという計算になります。
しかし、アメリカの死亡原因の第1位は心臓病であり、癌は第2位というのが現状です。
日本人の食生活が欧米化を遂げ、癌の発生に歯止めがかからなくなっている一方で、アメリカは日本より先に痛の魔の手から逃れつつあります。
では、この差はいったいどこにあるのでしょうか?
日本もアメリカも、人間の体 − それをつくる食生活の面についていえば、その歩みは似ています。
経済至上主義のもとで、いつの間にか誤った方向へ進み続けてきたのですから。
しかしアメリカでは、その誤った方向から国を挙げて大きく是正しようという動きも生まれました。
その最初が1977年に出された『マクガバン・レポート』です。
病気と食生活の相関関係を明らかにした『マクガパン・レポート』
アメリカでは今から約30年前の1975年、当時のフォード大統領が上院議会に、大統領直轄の諮問機関として栄養問題特別委員会を設置しました。
その頃、アメリカは癌や心臓病、糖尿病、肥満などの成人病(現在の生活習慣病)を患う人が急増し、国民医療費も急速に膨れ上がったため、「アメリカは戦争ならどこにも負けないが、自国民の病気で滅んでしまうだろう」とまでいわれていたのです。
そこでフォード大統領は疑問に思いました。
「アメリカは医学が進歩している国だ。
これほど医学の発展にお金をかけているのだから、病気の人が減ってもよさそうなものだ。
ところが患者は増え続け、医療費もどんどんかさんでいる。
何かが間違っているのではないか?」と。
この疑問は、至極もっともな話だとは思いませんか?
それから30年も過ぎた現在の日本の状況もまさに当時のアメリカと同じですから、日本は今もアメリカのはるか後方を歩いているといわざるをえません。
フォード大統領はその疑問を究明すべく、栄養問題特別委員会という機関を設置し、関係するあらゆる分野の有能な専門家を集結させ、国家的な大調査を指令したのです。
そしてその委員長に任命されたのが、当時、民主党の副大統領候補でもあったジョージ・マクガバン上院議員でした。
ウォーターゲート事件の情報提供者が名乗り出たことで話題になりましたが、その1972年の大統領選でニクソン候補と争っていたのがジョージ・マクガバン氏です。
さて、フォード大統領に命じられたマクガバン氏ら栄養問題特別委員会は、さっそく19世紀以降のアメリカの病気の変化と、それに対応する食生活の変化を歴史的に追跡し始めました。
すると150年前には陽チフスや結核など、細菌による伝染病で病死する人が多く、癌、心臓病、脳卒中などの病気は皆無に近いことがわかりました。
さらにヨーロッパなどの先進国を調査しても、150年前は心臓病や癌などほとんど見当たりませんでした。
そして調査地城を広げて世界の各国を見てみると、アフリカやアジア、中近東などのいわゆる低開発国では、過去はもとより、現在もそうした病気が少ないという事実がわかったのです。
欧米諸国の150年前と現在との違い、現在の欧米諸国と低開発国との違い − そこに共通するのは「食生活の違い」にはかなりません。
栄養特別委員会は、世界中の国々、しかもひとつの国を地域別・人種別・宗教別などに細かく分けて、人々の食生活と病気や健康状態との相関関係を分析しました。
証人喚問に応じて資料レポートを提出した各国の医師、生物学者、栄養学者など専門家だけでも、実に3000人を超える大がかりな調査を実施したのです。
そうして約2年の歳月を費やし、1977年にようやく完成したのが『マクガバン・レポート』です。
正式には『アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書』といいますが、委員長だったマクガバン氏の名を取り、今や世界中でそう呼ばれています。
わが国の現状を思うと、約30年前にこのレポートを公表したアメリカの先進性に敬意を表したくなります。
『マクガバン・レポート』は全5000ページにも及ぶ膨大な報告書で、その内容はもちろん多岐にわたります。
ここで、マクガバン・レポートに書かれていることをもう少し詳しく解説しておきましょう。
まず、レポート中に「現代の医師は栄養素の知識をまったく持っていない」とあります。
これが書かれたのは1977年で、現在のアメリカは栄養素の知識を持つ医師が増加しました。
レポートの警告が効を奏した結果といえます。
一方、日本の医師界では、いまだに栄養学が重視されていません。
栄養素に関する授業を必須科目として取り入れている医科大学や医学部は、片手で数えられるぐらいしか存在しないのです。
もっと驚くのは、医学部の大学入試センター試験で、生物が必須科目に入っていないことです(現在は「理科3教科必須」にしている大学が増加してきている)。
文部科学省はこれを憂慮し、2004年度のセンター試験から、学部によっては生物を必須科目にできる形で時間割に変更することを発表しました。
現行のセンター試験は物理、化学、生物の3科目から2科目を選択するスタイルで、生物は試験で点数を取りにくいために選択する受験者が少なく、それが受け入れ側の医大や医学部で問題視されるようになったからです。
生体のしくみを学ぶ科目である生物を履修しないで医者になろうというのですから、受験システムには門外漢の私でも首を傾げたくなります。
実は、マクガバン・レポートに、
「世界で1ヶ所だけ、理想的な食生活を行っている国がある。事実、その国の人々は健康である。私たちは彼らの食習慣を見習うべきだ」
という内容で称えられている国があります。
それはほかでもない、日本でした。
とはいいましても、それは現代の日本ではありません。
今から300年以上前の元禄時代の日本です。
マクガバン・レポートは、
「動物性の脂肪や、精製・加工した糖分を減らす。
野菜や豆、海草などの植物性食品を多く摂る。
炭水化物を増やし、しかもそれは未精白なものが望ましい」
という食事の改善目標を提示しています。
元禄時代以前の日本の食事といえば、精白しない穀類を主食に、季節の野菜や海草や小魚といった内容に違いありません。
このような理想にぴったり当てはまった日本を名指ししてくれたおかげで、マクガバン・レポートの発表後、アメリカでは日本食ブームが巻き起こりました。
「日本食=健康食」というイメージがひとり歩きしてしまったのです。
それでも1960年代頃までの日本人の食事は、元禄時代ほどではなくても少しはマクガバン・レポートの賞賛に値する部分があったといえるでしょう。
事実、現代日本で「長寿」の称号を得ているお年寄りのみなさんは、高炭水化物、低脂肪、低カロリーの伝統的日本食を摂ってきました。
動物性脂肪は肉よりも魚で摂取し、タンパク質も大豆などの植物性タンパク質、そして何より野菜や海草などの植物性食品を日常的にたくさん摂っていました。
50歳代の私もまた、成長期までは確実に昔ながらの日本食を続けてきた世代です。
ところが、21世紀を迎えた現在ではどうでしょうか?
その点で、私は今の若い人たちにお詫びをしなければならないと思っています。
今の30歳代が誕生した頃、日本はすでに食習慣を変えつつありました。
20歳代以下の人となると、生まれたときからハンバーガーやフライドチキンのチェーン店が当たり前のように存在していますし、コンビニエンスストアへ行けばすぐに食べられる添加物いっぱいの加工食品が並んでいます。
電話をすれば高カロリー高脂肪のピザがものの30分で家に届く今の日本では、忙しいお母さんが片手間につくる食事より、ファミリーレストランのメニューのほうが好物という子どもも多いと聞きます。
しかし、それを食べ続ける子どもたちを責めるわけにはいきません。
子どもたちは何も知らないだけで、罪があるのはそんな食環境をつくってしまった私たち大人です。
しかも、それまでずっとその後ろ姿を追い続けてきたアメリカという大国が、マクガバン・レポートという現代社会への警告書を30年近く前に発表しながら、日本は今日まで見向きもしなかったのです。
アメリカではその後も国をあげての「食と健康」の取り組みが国民に少しずつ浸透し、1997年に『食品と栄養と癌予防:世界的展望』というレポート − 世界癌研究財団とアメリカ癌研究財団がまとめたもので、世界中から食品と栄養素と癌予防の関係について書かれた約4、500件の学術論文を集め、15人の専門学者が3年半をかけて多角的に解析している − がまとめられ、
その研究分析による結論として『癌予防14ヵ条』という提言が発表されたときには、アメリカのサプリメントの売上げが約5割ダウンしたといわれています。
また、これと同時期にアメリカの3万5000件のスーパーマーケットでは、お互いに協力し合い、野菜摂取を呼びかける運動を展開しています。
それが国民のオーガニック人気へと発展していったのです。
アメリカのオーガニック市場は1990年代半ばから毎年20〜25%の成長率を見せ、2003年の売上高は130億ドル(日本円で約1兆4000億円)を超えました。
従来からの食品の売上高伸び率は3%ですから、その急成長は驚異的といえるでしょう。
そしてそれは結果的に、オーガニック農家の数・質の大幅な向上を生み出したのです。
『食品と栄養とガン予防:世界的展望』によるガン予防14ヵ条
- 第1条/食事は植物性食品を中心とする。 野菜、果物、豆類、精製度の低いデンプン質の主食など、できるだけ多様な種類の食物を摂る。
- 第2条/体重はBMI(日本では体重kg/(身長m×m)の数値)18.5〜25を維持して肥満を避ける。
- 第3条/運動は1日1時間の早足歩きと、1週間に合計1時間の強度の運動を行い、体を動かす習慣を維持する。
- 第4条/野菜・果物を1日に合計400〜800g摂る。
- 第5条/野菜・果物以外の植物性食品としては、1日に合計600〜800gの穀類・豆類・いも類・バナナなどを摂る。
- 第6条/飲酒は勧められない。 アルコール類を摂るなら男性は1日に2杯(ビール500ml、ワイン200ml、ウイスキー50ml、日本酒1合)以下、女性は1日1杯以下に控える。
- 第7条/赤身の肉(牛肉、羊肉、豚肉など)は1日80g以下に抑える。
- 第8条/総脂肪量を減らし、総エネルギー量の15〜30%の範囲にとどめる。 とくに動物性脂肪を控え、植物油を使用する。
- 第9条/塩分は1日6g以下に抑える。 香辛料やハーブ類を使用するなどして、減塩のための工夫をする。
- 第10条/カビ毒に注意する。 食べ物を常温で長時間放置せず、カビが生えたものは食べない。
- 第11条/腐りやすい食品は、冷蔵庫か冷凍庫で保存する。
- 第12条/食品添加物や残留農薬に注意する。 適切な規制下では添加物、汚染物質、その他の残留物はとくに心配いらない。
- 第13条/黒こげの食べ物を避け、直火焼きの肉や魚、塩干し燻製食品は控える。
- 第14条/栄養補助食品は、以上の勧告を守ればあえてとる必要はない。
キレる子ども、引きこもり、ニートになる最大の原因は、「ビタミン・ミネラル不足」
栄養は人間の体はもとより、学力や知力にも影響を及ぼします。
そしてもうひとつ、忘れてはならないのが精神面への影響です。
なぜなら情動など「心」の部分も脳がつかさどり、その脳の健全化のためにはミネラルやビタミンが非常に重要であることが、現在ではわかっているのです。
厚生労働省の患者調査によると、今、日本の入院受療率でもっとも高く、急増しているのは精神障害です。
これは明らかに栄養が足りないのです。
現在、アメリカでは精神疾患に関する裁判がいくつも行われています。
どういう裁判かといいますと、入院患者さんのお見舞いに行けばわかりますが、薬を大量に飲まされているのです。
それで治るのであれば納得できます。
しかし治らない。
ですからアメリカでは、治りもしない薬を大量に与えてお金をとって、それでは詐欺ではないかと訴えているわけです。
それではここで、アメリカで行われたいくつかの驚くべき調査結果を紹介しましょう。
カリフォルニア州立大学の社会学者ステファン・ショーエントーラ博士らの研究グループは、1980年代に子どもを凶暴にする食事についての実験調査を行っています。
最初の実験は、ヴァージニア州のある少年院で行われました。
収容されている約3000人の少年たちの食事内容を分析し、
炭酸飲料水をフレッシュ(生)のフルーツジュースに、
また砂糖や添加物の多いデザートやスナック類を、果物に生野菜、チーズ、ナッツ、
に変更したのです。
するとその結果、「ほかの少年とケンカをする・ほかの少年を脅迫する・看守に反抗する・自殺しようとする」などのトラブルの発生回数が、なんと48%も減少したのです。
次にワシントンDCなど全米12ヶ所の少年院で、8000人の少年を対象に、同じ実験を行いました。
するとヴァージニア州での調査と同じく、トラブルの件数が47%減少するという結果が出たのです。
研究グループはこの2つの結果から、「少年たちの行動や心理を変えさせたのは、食事のなかの何だったのだろう?」と考え、さらに詳しく調べました。
砂糖や添加物を除いたのがよかったのか、それとも何かほかに、重要な栄養素の摂取量が変わったなどの特定の理由があったのか。
5ヶ所の少年院で約300人の食事を綿密に分析し、より具体的な要因を究明したのです。
その結果、最も悪質で凶暴な行動をする少年たちの食事には、共通して不足している栄養素があるとわかったのです。
それはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸の5つのビタミンと、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛という4つのミネラルでした。
これら9種類の栄養素のうち5つ以上不足させている少年は例外なく、それまで札つきの暴れ者とされている少年だったのです。
研究グループはこの分析結果に基づき、3ヶ所の少年院で56人の少年らにこれら9種類の栄養素を補給する錠剤を与えました。
すると院内でトラブルを起こす回数が40%も減ったのです。
また、9種類の栄養素を補給すると同時に、脂肪分、砂糖、各種添加物を減らしたグループは、トラブル発生率がさらに低下したという報告も添えられていました。
この研究は、食事の内容で少年たちの凶暴性が変わること、少なくとも9種類のビタミン・ミネラルの欠乏が少年たちの凶暴性に関与していることなど、当時の人々が驚くような結論を導きました。
さらに2000年には、カリフォルニア州立大学の研究グループが、6〜12歳の児童80人を対象に同様の実験を試みています。
40人にビタミンとミネラルを十分に与え、残りの40人には何の効果もない偽薬を与えて行動を観察したところ、前者は後者に比べて、反社会的な行動が47%も減少したというのです。
また、こんな報告もあります。
現在、家庭で飼われている動物は約1200万匹いるそうですが、近年、飼い主や周囲の人々に対して凶暴になっている犬・ネコが激増しているのだそうです。
これは栄養学からの見解として、人間と同じ食物を与えられていることでミネラル不足を招いていることが原因だというのです。
こうした複数の報告を目にして、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
日本では近年、少年犯罪のニュースが連日報道されています。
殺人などの凶悪犯罪も年々増加・低年齢化しており、痛ましい事件が各地で起きています。
こうした少年犯罪増加には、数々の要因が考えられることでしょう。
しかしそのひとつに食生活 − ミネラルやビタミンの欠乏 − が挙げられるということを、前述の実験結果が証明しています。
また、少年犯罪と同じように、近年になって急増(というより、かつてはその言葉すら存在しませんでしたが)しているのが、「引きこもり」や「ニート」と呼ばれる人たちです。
私は、引きこもりやニートの増加の最大の原因は、ミネラル不足だと思っています。
ビタミン・ミネラルの欠乏症については別のところでで詳しく紹介しますが、ビタミンの欠乏症は比較的顕著に症状としてあらわれるのに対し、ミネラルの欠乏症は漠然としたものが多いのです。
「なんとなく面倒くさい」「どうも疲れがとれない」「あまり意欲がわかない」といったものが多く、これがひどくなってくると、人間の行動や俊敏性に影響を与えてしまうということが、数々の文献にはっきりと示されています。
少年犯罪の増加を、引きこもりの息子を、ニートの若者を嘆く前に、私たち大人は自分の子どもたちにどんな食環境を提供し、それが何をもたらしているかということを真剣に考えなければなりません。
少年犯罪も引きこもりもニートも、単なる「心」の問題のみとして考えるのは誤りです。
それらの発生源は実はその環境と体であり、とくに体を作っている食生活に目を向けなければ、根本的な解決策は得られないのではないでしょうか。
甘いパン、ケーキ、アイスクリーム、そして脂まみれのラーメンなど、何の注意も払わずに食べさせ続けられている子どもたちが哀れに思えます。
「精神的な不健康さは、身体的な不健康さ以上に、食生活と密接につながっているのだ」
という観点から、子どもたちの育成を始めることが必要です。
今から数十年も前に、アメリカでは子どもを凶暴にする食事についての大規模な実験調査が行われているのに、なぜわが国ではこうした実験結果について真剣に議論し、広く知らしめ、大規模な調査を行おうとしないのでしょうか。
日本でも、栄養素と脳の働きの相関関係を明確に示す調査が早急に行われることを期待します。
食事改善で学力がアップした!
栄養素の充足・不足が学力に大きな影響を与えるということを裏づけた、面白い調査データをご紹介しましょう。
アメリカで1979年、ニューヨーク市の子どもたち100万人を対象に、食事に関する大調査が行われました。
ニューヨーク市学区では校内のカフェテリアで朝食と昼食をとる児童が多く、その子たちの食事の内容を変えてみて、学力にどんな影響があるかを4年にわたり調べたのです。
調査開始以前の校内カフェテリアの定番といえば、ハンバーガーにフレンチフライ、ホットドッグ、ポテトチップス、フルーツポンチ、チョコレートミルク、コカコーラといったものでした。
つまり子どもたちはずっと、そうしたものを食べてきたわけですが、調査を開始した最初の一年目は、まず飽和脂肪酸(コレステロールや中性脂肪を増やす脂肪酸で、動物性脂肪に多く含まれる)と砂糖の量を減らしました。
肉の脂肪部分をカットし、食品中に含まれている砂糖は11%以下にし、パンは食物繊維が豊富なものに代えたのです。
すると学力テストの平均点がいきなり39点から47点にアップしました。
これは当時の全米で考えても、1学区の平均点の年間アップ率としては、それまでの記録を塗りかえるものでした。
そして2年目には、1年目の変更に加え、合成着色料や合成甘味料を使った加工食品をカフェテリアから一掃しました。
その結果、平均点はさらに51点まで上昇したのです。
3年目はあえて何も変えず、2年目と同じ内容のメニューを続けてみたところ、平均点も2年目と同じ51点でした。
そして調査最後の4年目は、合成保存料(BHT・BHA)を添加している加工食品をシャットアウトしました。
すると平均点は再び上がり、55点に達したのです。
つまり調査開始前の成績に比べると16点もアップしたことになります。
この調査の分析に当たったアレキサンダー・ジエラス氏が、次のような証言を残しています。
「ニューヨーク学区はこの4年間に教師の給料を上げたわけではなく、教師1人当たりの学童数を減らしたわけでも、カリキュラム(教育課程)の内容を変えたわけでもありません。
変えたのは、学校内のカフェテリアの食事だけです。
にわかには信じがたいことですが、『食事のパワーが学力試験のスコアを押し上げた』といわざるをえません。
今ではカフェテリアで食事をする子どもたちが、成績面で学校のトップグループを形成しています。
カフェテリアを嫌って家から弁当を持ってくる子どもたちより、平均点が11点も上なのです」
家から持ってくる弁当というと、みなさんは「手作りのおかずが何種類も入って、栄養バランスがとれているのでは」と思うかもしれませんが、アメリカの、しかも多くの主婦が仕事をもっているニューヨークでは違います。
パンにハムやジャムを挟んだだけの簡単なサンドイッチや、ファストフード店と変わらない市販のハンバーガー&ポテトフライなど、調査以前の校内カフェテリアと似たような弁当がほとんどなのです。
子どもたちにとって食事がいかに大切か、膨大なデータをもとに実証してみせた非常に貴重な調査結果といえるのではないでしょうか。
冷え性は、「万病の元」
冷え性について少し考えてみましょう。
近年、冷え性を訴える人が増加しており、大半の女性は意識的・無意識的にかかわらず 「冷え」を起こしているとされています。
「手足が冷たくてよく眠れない」
「暖房のきいた部屋にいても手足がなかなか温まらない」
「腰が冷えて一年中カイロが手放せない」
など、その症状はとてもつらいものです。
では、なぜ冷え性が起こるのでしょう?
人間の理想的な体温は36.5度程度とされ、私たちの体は夏も冬もほぼ一定の体温を保てるようにできています。
気温の変化に対して、体は一定の体温を守るためにいろいろな反応をします。
暑い日に汗をかくのは気化熱で皮膚を冷やすためですし、急な冷え込みに鳥肌が立つのは、毛穴を閉じて放熱を避けようとするためです。
また、真冬に外出すれば手足の指先が冷たくなりますが、これは末梢の血管を縮めることで、体の中心部の熱を守ろうとするためです。
そして通常は、温かい部屋で休んでいるうちに縮まっていた血管がゆるみ、血流が回復すれば、寒さから体温を守ろうとする反応も自然と収まります。
ところが、いつまでたっても血流がもとに戻らず、体温が回復しない状態が冷え性です。
体温は、内臓や筋肉でつくられ、心臓から送られる血液によって体のすみずみまで届けられています。
ですから、なんらかの原因で血流が悪くなったり、よい血液が十分供給されないと、体温は下がったままなのです。
その原因のひとつは、私たちの食生活・栄養です。
以前もお伝えしたように、血液の質はその人が食べたものの質によって決まりますから、冷え性を治すにはまず食生活を見直すことが第一です。
白米、白パン、砂糖といった大目的に精製され過ぎた食品は、体を冷やす原因になりますし、脂肪過多の食事は自律神経の働きに悪影響を及ぼします。
自律神経には、運動時などに血流を増やして酸素を全身に送ろうとする「交感神経」と、
反対に心臓をゆっくりと動かし、体全体をリラックスさせる「副交感神経」があり、体温の調節を担っています。
冷え性は、西洋医学では「まだ病気ではない」のでろくに治療をしてもらえませんが、東洋医学では古くから万病の元とされており、放っておくとさまざまな病気につながりかねません。
低体温が万病の元になることは、ベストセラー『免疫革命』(講談社インターナショナル)の著者として知られる安保徹先生(新潟大学大学院・医学部教授)も主張されています。
体温が下がると、新陳代謝を担っている酵素の働きが悪くなり、そのためにさまざまな病気にかかるというわけです。
現代の私たちの生活は、栄養の問題に加え、エアコンの普及やストレスの増加など、自律神経に悪影響をもたらしやすい、つまり冷え性になりやすい環境に囲まれています。
この本を読み進めて栄養を見直すことに加え、冷え性のひどい方には温熱療法をおすすめします。
温熱療法とは、からだを温めることで血行をよくし、病の予防・治療をはかるもので、古くから癌治療にも利用されています。
「遺伝」はサプリメント、普段の食事で十分カバーできる
栄養というものがいかに子どもの出生に関して大事なものであるか、栄養というものがいかに早くから私たちり体に作用しているかということについては、当サイトの過去の記事をみればお分かりになると思います。
私たち日本人は、病院で産声をあげたときに「0歳」となりますが、実際には母親の胎内で最も大切な10ヶ月を過ごします。
中国や韓国などでは今でも生まれた年が1歳ですが、1950年施行の「年齢のとなえ方に関する法律」を受けて数え年をやめてしまった日本人は、「私たちはおなかの中で誕生するんだ」ということを、より強く意識させることが大切なのかもしれません。
自分たちが母親に、父親になったときに、きっとその意識が生きてくるように思います。
母胎にいるときの栄養の欠乏が、重大な問題を引き起こすかもしれない、逆により劣った栄養にもかかわらず、比較的健康な赤ん坊を産むこともあるかもしれない − しかし、劣った栄養で損傷を受けやすい子孫が10%でもいれば、それは非常に大きな問題です。
ロジャー・ウイリアム博士は、「動物実験によると、劣った栄養で損傷を受けやすいのは10%をはるかに超えており、何百万人もの人々の食事は子どもに重大な影響を与えるほど貧しい」と指摘しています。
では、母胎での栄養の欠乏で引き起こされた問題は、もう取り戻すことはできないのでしょうか?
ここで再び、ロジャー・ウイリアムス博士の著書『からだの機能を開発する あなたの中のすばらしい世界』から、「ルース・バーレル博士による二つのケース」についての言及を引用したいと思います。
9歳になっても逆書きをし、読書をしない一人の子供がいました。
血液の酵素の綿密な分析と、ヴァージ二アのリッチモンドの生化学者であるマリー・B・アレン博士によって考案された生検の標本から、この少年にはいくつかの重大な栄養が欠乏していることが示されました。
そこで、補給による食養生が開始されました。
この計画に基づいて5日後に、内科医である母親は、「奇跡的な」結果を告げるためにバーレル博士に電話をしました。
逆書きはなくなったのです!
三週間後、その少年は、学校で何らの特別の教育なしに、3年生に要求される読書能力をもつようになりました!
彼の病気にはいくつかの神経学上の歪みが含まれていて、栄養素がその問題を解決したと思われます。
この少年の病気には遺伝的基盤があったことは明らかですが、このことは適切な栄養の調整が効果があったことの妨げにはなりません。
第二のケースは、7歳でまだおしめをしていた少年のことです。
バーレル博士が、初めて彼に会ったとき、少年は、彼の両親を認めているようにも、彼の周囲に気づいているようにも見えませんでした。
彼は見たり聞いたりしているようなのですが、まるでそうでないような、非常に多くの行動をしました。
この子供の血液と生検標本もまたアレン博士が分析しました。
アレン博士は、特定の栄養の食養生が特定の欠乏を直すことを指摘した人です。
はじめの一ヶ月の間に、ほんの少しの改善がありました。
しかし、補給する量を増加すると − 2倍、そして、ある範囲内で3倍にしたとき − その効果は著しく、即座にあらわれました。
彼の両親は興奮して、彼は「電光のように振り向いた」と電話で報告しました。
彼は、最初に自分の両親を認め、ものの名前を覚え始めました。
そしてじきに、話し始めました。
彼は今、学校へ通い、読書をし、そして理性的に話すことができます。
予想通り、彼の知的能力にはむらがあるようです。
しかも、彼のIQは普通以下です。
いかがでしょうか?
このふたつのケースからわかることは、
- ●母親の栄養というものがいかに大きな影響を与えるかということ、
- ●そして生まれたあとでもあきらめずに栄養を与えれば、劇的に回復する可能性がある、
ということです。
栄養について遅れている日本では、同様のケースでも「遺伝ですね」ですまされてしまうかもしれません。
しかし、ここからもわかるように、栄養にはさまざまな素晴らしい可能性が満ちているのです。
人間は、1個の受精卵から細胞分裂を繰り返し、20歳前後には約60兆個の細胞を持つまでに成長するといわれています。
年齢にもよりますが、それらの細胞は皮膚なら28日位、胃なら100〜200日、骨なら4〜7年というそれぞれの周期で新陳代謝を繰り返しています。
私たちは、「私は太りやすい体質だから」とか、「子どもがアレルギー体質で」などというように、「体質」という言葉をよく使います。
まるで「これは生まれつきだから仕方がない」と言っているようなものですが、体質は決して「生まれつき」でも「仕方がない」ものでもありません。
体質とはその人の健康レベルであり、その人の器官や組織をつくりあげている細胞の質によって決まるものなのです。
つまり、1個1個の質をもっている細胞が約60兆個集まり、それが全身としてひとつの体質をつくっているわけです。
そして細胞の質は、血液の質によって決まり、血液の循環によって全身の細胞の質を支配します。
さらにこの血液の質は、その人が食べたものの質によって決まります。
したがって、「細胞の質とは、それをつくる栄養の質、つまり食べ物の質である」というのが、ロジャー・ウイリアムス博士の正常分子栄養学です。
それをウイリアムス博士は「あなたは、あなたが食べたものそのものです」という言葉で表しているのです。
少子化の本当の原因
子どもの誕生と栄養についてはもうひとつ、忘れてはならない重大な問題があります。
それは日本の少子化の問題です。
厚生労働省は2005年6月1日、少子化の指標とされる合計特殊出生率を発表しました。
2004年の出生率は4年連続で過去最低更新の1.288
この数字を、みなさんはどう思われたでしょうか?
少子化について議論されるときに、毎年、その原因として必ず挙げられるのは、「経済的負担が大きい」「将来に不安がある」「女性の社会進出、晩婚化」などです。
今年はフリーターやニートの増加なども原因ではないかといわれました。
これらが少子化の原因のひとつであることは、私も否定しようとは思いません。
でも、本当にそれだけでしょうか?
1.288という驚くべき数字の裏には、もっと重大な問題があるのではないでしょうか?
厚生労働省は1999年と2003年に生殖補助医療技術に関する大規模な調査を行い、そのなかで不妊治療患者の推計を出しています。
それによると、1999年の28万4800人から、わずか4年で1.6倍の46万6900人まで増加したとされています。
その増加率も驚きですが、ここで忘れてはならないのは「患者数」でこの値だということです。
高額で難しい不妊治療を受けてまで妊娠を望まない人はもとより、自分が不妊症であると自覚していない多くの人を含めれば、いったい日本にはどれくらい多くの不妊症患者がいるのでしょうか。
平成16年に誕生した赤ちゃんの数は約110万人ですから、不妊症の増加がいかに少子化の原因として重要な問題であるかは明らかなのです。
しかし不可解なことに、少子化について議論される際に、この不妊症の問題を挙げる人はいません。
では、不妊症はなぜ増加しているのでしょうか?
近年、不妊症は男性も女性も増加傾向にありますが、その割合が顕著なのが男性です。
精液量・精子数の減少、精子の運動率の低下、そして精子奇形率の増加が確かに認められています。
みなさんは学校で、男性の精液1cc当たりの精子数はどのくらいと教えられたでしょうか?
私の中学生時代の保健体育の教科書には、1億と書かれていました。
しかしその後、日本を含めた先進諸国の精子はものすごい勢いで減り続けているのです。
帝京大学医学部講師である押尾茂先生らの調査によると、東京近郊に住む男性で20代男性の精子数(平均値)は、40代前後の男性の約半数である4600万個しかないつくことがわかりました。
一般には、年齢を重ねるにつれて精子数は減少するはずなのですが、このデータからわかるように、ここ数十年で劇的に減少しているのです。
また、同講師が1996〜1998年に日本の若い男性34人(20〜26歳)の精液を調べたところ、世界保健機関(WHO)の基準に達していたのは、恐ろしいことにたった一人だけだったそうです。
いったいなぜ、このようなことになってしまったのでしょうか。
その原因については、環境ホルモン、食生活、精神的ストレス、性生活など、多くの要因が考えられていますが、まだはっきりとはわかっていません。
おそらく、それら複合的な要因によるのでしょう。
しかしそのなかで食生活の変化 − 偏った栄養、残留農薬(環境ホルモンのひとつ)の摂取 − が大きな割合を占めていることは、容易に想像できます。
ここで注目したいのが、精子の奇形率です。
私たち日本人の精子は、その数の減少と反比例するように、精子のしっぽが切れていたり、頭がなかったりという、受精能力のない精子の割合が急増しています。
奇形児がなぜ生まれるのか、ロジャー・ウイリアムス博士の実験を思い出してください。
ビタミンAを摂らないだけで、眼球のない赤ちゃん豚が生まれます。
私たちは必要な栄養素を必要なだけ摂らなければ、必要な細胞をつくることができません。
精子のしっぽのほとんどは、ミネラルです。
私たち日本人の食生活で最も不足しているのもミネラルです。
ここに関係性を見いだすことは、当然ではないでしょうか。
私たちの偏った栄養が、子孫にまで影響してしまうことを、なぜ国は本腰を入れて調査し、私たち国民に広く知らせてくれないのでしょう。
不妊・流産・奇形が増加し続ければ、出生率は下がり続け、日本という国はなくなってしまうかもしれません。
経済的負担が、フリーターやニートの増加が出生率低下の主原因であるならば、それほど恐れることはないでしょう。
しかし精子の減少や奇形率の増加を代表とした、私たちの体 − そしてそれをつくりだす栄養の問題が主原因であるとしたら、今の日本はかなり危機的状態にあるといわざるをえません。
出生率が1.288という数字になった今でもなお、そのことにまったく触れられていない現状は、どう考えても異常なのです。
学問的な裏づけがすべてとられたときには、国民のほとんどが子どもを産みたくても産めない体になっている − そんな恐ろしい未来も、可能性としては十分にありえるのです。
砂糖の本当の問題は低血糖症
近年、「甘いものを食べると太る」「虫歯になる」などの理由から、家庭での砂糖使用量は減少しています。
では、砂糖摂取量が少ないかといえば、そんなことはありません。
スポーツ飲料水や清涼飲料水には砂糖が大量に使用されていますし(500mlで30~70g程度)、若い女性のケーキ好きには驚くばかりです。
また、加工品に使用されている砂糖などは、意識していない人も多いのではないでしょうか。
ここで、ひとつ面白い例を紹介しましょう。
かつて、福神漬けはA社が業界最大手だったのですが、やがてB社にその地位を完全に奪われました。
B社が何をしたかというと、実は福神漬けに砂糖を入れただけなのです。
甘くしたらおいしい - その発想が、私たちの知らないところで、気づかないうちに健康を害されているということをご存知でしょうか?
砂糖の摂取の一番の問題点は、実は太ることでも虫歯になることでもありません。
以前も紹介したように、体内のミネラルを奪うこと、そして低血糖症を引き起こしてしまうことです。
「高血糖症の糖尿病なら知っているが、低血糖症なんて知らない」という人が多いようですが、低血糖症は気づかれないまま日本人に増加しています。
おそらく高血糖症である糖尿病が年々増加していることはみなさんもご存知だと思いますが、低血糖症は高血糖症の前駆症状でもあります。
そしてその症状は実にさまざまです。
低血糖症は、その名の通り、血液中の血糖レベルが急に低くなる病気ですが、その原因は「三日」だといわれています。
三日とは、砂糖、白米、自パンといった精製され過ぎた食品のことです。
精製された食品の何がいけないのかと思うかもしれませんが、ひとつには精製されていなければバランスよく摂取できるはずのビタミン・ミネラルがすべて排除されてしまうこと、そしてもうひとつが消化吸収のよすぎることです。
疲れたときに甘いものを食べると、急に疲れがとれたような気になるのも、砂糖はすぐに体に吸収されて血液中に出てくるためですが、実はこれがよくないのです。
それは人体の自然な消化吸収のスピードに比べて早すぎ、それが低血糖症の原因になっているのです。
体に入った砂糖はあっという間に吸収され、血糖値が急激に上がります。
するとそれを正常なレベルに戻すために、体はインシュリンを大量に分泌してしまいます。
本来、人体は自然な食品のゆっくりした消化吸収に合うようにできているため、この早すぎる吸収に直面した人間の体は、インシュリンを必要以上に分泌してしまうのです。
その結果、血糖値を逆に下げすぎてしまい、低血糖症が起きてしまいます。
低血糖症の症状
-(身体的症状)-
- ・時々、目がかすみ物が二重に見える
- ・日光がまぶしい
- ・午前中や食前に頭がふらついたり、目まい、ふるえがある
- ・強い立ちくらみや、気の抜けた状態になることがある
- ・朝のうち、非常に消耗しきった感じがする
- ・強い疲労感、体の衰弱感がある
- ・一日のうちで、午前中と夕方、非常に気弱になる
- ・たくさん食べた後、心身共に最も満足感がある
- ・甘いものやでんぷん質のものを食べた後気分が弛緩し眠くなる
- ・昼間、非常に眠くなる
- ・夜、熟睡できない
- ・夜中に一一度目が覚めると眠れなくなる
- ・眠りは深いが目覚めた時爽快感がない
- ・寝汗をかく
- ・朝、目覚めた時、虚脱感におちいる
- ・アルコール、コーヒー、タバコ、薬などの刺激剤が必要
- ・甘菓子類や清涼飲料をとった後、気分がよくなる
- ・甘い菓子類やコーヒーをとった後、気分が悪くなる
- ・便秘しがち
- ・腹部に痛みがある
- ・便秘と下痢を交互にくり返す
- ・乗りもの酔いしやすい
- ・食欲がまったくない
- ・時々、激しい食欲が湧く
- ・オーバーウェイト
- ・いつも消化不良気味である
- ・しばしば腹部が張る
- ・少量の酒ですぐ酔う
- ・非常に塩分が欲しくなる
- ・激しい頭痛がある
- ・時々、左肩から首にかけて、または首の後ろが痛む
- ・暑さに非常に弱い
- ・手足がむくむ
- ・口中が渇く
- ・皮膚にトラブルがある
- ・手足が冷える
- ・ひどく汗をかく
- ・興奮すると手に汗をかく
- ・皮膚が乾いてザラザラしている
- ・汗をかくのは脇の下と興奮時の掌だけ。他はかかない
- ・手足の感覚がなくなる感じがする
- ・唇や指にちりちりした感じがある
- ・時々、夜中に汗をかいて目が覚めることがある
- ・アレルギー体質でぜんそく
- ・時々、心臓の鼓動が早くなる
- ・時々、体の中でふるえが起こる
- ・風邪をひきやすい
- ・感染症にかかりやすい
- ・関節に痛みがある
- ・時々、筋肉がひきつる
- ・時々、けいれんを起こす
- ・水をあまり飲まない
- ・コーヒーや紅茶を毎日多量に飲む
- ・アルコール類を毎日飲む
- ・チェイン・スモーカーである
-(精神的症状)-
- ・しばしば心が空白になる
- ・頭の中が混乱しやすい
- ・忘れっぽい
- ・集中力がなくなる
- ・仕事や勉強の成績が並み以下になる
- ・カッとしやすい
- ・感情をコントロールするのがむずかしい
- ・性的欲望が過度に強い
- ・男性はインポテンツ、女性は不感症になる
- ・物事をきちんとすることや身だしなみに無関心になる
- ・仕事に飽きっぽい
- ・忍耐することが、まったくできない
- ・何か特定のことに苛立つ
- ・気分がふさいで沈みこむ
- ・仕事に興味が持てない
- ・生きることに意欲を持てない
- ・ひどく神経質である
- ・人生に目的がなくなったように感じる
- ・いつも悩み、恐れを感じているがその原因が不明
- ・切迫した危機感がある
- ・強い緊張感がある
- ・理由のない恐怖に捉われる
- ・いつも泣き出さずにはいられない気持ちになる
- ・気持ちがいつも落ち着かない
- ・自殺したい誘惑にかられる
- ・理由もなく暴力をふるいたくなる
- ・理由もなく他人を傷つけたくなる
- ・社会に対して復讐がしたくなる
低血糖症は、表にあるように精神的にも肉体的にも症状をあらわします。
そしてインシュリンを無理して大量に生産していた膵臓は、やがて疲れてしまい、ついには必要な量のインシュリンも出せなくなってしまう危険性があります。
こうして低血糖症から高血糖症である糖尿病になってしまうのです。
このことは世界的な常識といえるでしょう。
アメリカの精神科医であるマイケル・レッサー博士は、アメリカ上院栄養問題特別委員会でこんなことまで述べています。
「テレビの暴力番組が子どもに悪影響を与えるというのは一見本当そうだが、あまりにも通俗的な解釈だ。
それより悪いのは、甘い菓子などのコマーシャルのほうである」
広島の焼け野原に芽を出した麦の強さ

自然農法で無農薬の食物が簡単に手に入るようになるまで、待ち続けることもできません。
別の機会に、植物栄養物質の摂取に優れた緑汁について、その製法の違いによる効果を紹介しますので、楽しみにして下さい。
緑汁といっても、酵素や栄養素が破壊されたものでは意味がありません。
その点からいえば、熱を加えずに、低温処理によって粉末加工されたものが一番です。
健康食品としての緑汁の粉末製品は、麦若葉のジュースを絞り、瞬間噴霧乾燥製法(スプレー製法)で粉末製剤化されます。
なぜ身近な稲ではなく麦の若葉が使われるかというと、これは製造上の問題です。
稲は田んぼで水耕栽培されるため、稲葉には土壌菌の付着が多いこと、そして水田での若葉の収穫が困難であるなどの事情があります。
そこで、栄養成分的にも同等の畑で栽培される麦が注目されることになったわけです。
麦には、大麦や小麦、古代麦であるカムート麦等があり、このなかで現在、健康食品として市場に多く出回っているのが大麦です。
当初、小麦若葉が使われなかった理由は、葉の裏に大麦若葉にはない細かい毛が生えており、若葉を水洗いしただけではこの毛に付着した土壌菌を取り除けないことと、一般の大麦若葉粉末のように高温で乾燥処理して菌を殺し、そのまま粉末にする製法ではないことによります。
このような理由により、栄養価をそのまま私たちの身体に取り入れるジュースからのスプレー製法が可能なものとして、大麦の若葉が選ばれました。
大麦と小麦は生産される土壌が同じであれば、含まれる栄養成分的に大きな差はありません。
ではここで、麦類の若葉が私たち人間に貢献している実例をご紹介しましょう。
麦類は、植物分類学的には「イネ科」に属する逆境に強い種で、広島に原爆が投下されて一面無生物の状態になった後、最初に地表に出現したのが「イネ科」の植物だったといわれています。
それは、SOD(活性酸素除去酵素)をはじめとするタンパク系、イソビデキシンなどのフラボノイド抗酸化物質を多く持ち、また農薬や化学物質を分解する酵素を多く持っているためだろうといわれています。
多くの加工食品に使われる食品添加物に「ソルビン酸」がありますが、これを麦若葉の液に溶かし、時間の経過に従って分析してみると、ソルビン酸が短時間で分解されて消滅することがわかります。
この麦若葉液を煮沸してからソルビン酸を加えると、この分解が進まないことから、麦若葉の成分が温度(熱)によって変性し、失われるタンパク系の物質に、この化学物質分解作用があるものと思われます。
これらの作用は、言い換えれば植物が自分自身を守るための免疫メカニズムに相当するものです。
農薬や化学物質を分解し、自身を守れなければ、植物自身の生命維持はできません。
そして私たち人間もこの植物の免疫力と同じように少量の農薬・化学物質等を解毒・排泄して生命を維持しています。
この似ているメカニズムを人類は取り入れ、人間の健康回復に役立ててきたのです。
麦若葉ジュース粉末の製法と特徴
麦には硬い茎があり、また大切な栄養成分は細胞内にあり、しっかりとした細胞膜に守られています。
そのため、この硬い組織を処理して内側の栄養成分をジュースとして絞り出すアイデアが生まれました(牛はこの細胞膜を溶かして植物栄養成分を消化吸収するために4つの胃袋を使います)。
25cmから35cm程度に成長した麦の葉を刈り取り、水洗の後、細かく裁断し、ジュースを絞ります。
このジュースの状態になりますと、麦の酵素成分(エンザイム)が活性化され、急速に自己消化が始まり、私たちにとって大切な生理活性成分の分解が進むために、ただちに酵素(エンザイム)を休眠状態にする必要があります。
そこで、温度の影響の少ない瞬間噴霧乾燥(スプレー製法)を行い、乾燥粉末の状態をつくります。
このときの問題は、もともと麦のジュース中の固形分は3~4%(残りは水分)と少なく、このままスプレー乾燥すると乾燥タンク内の壁に吸着し、食品の粉末がごくわずかしかできないことです。
そこで、タンクの壁に吸着させずに食用として使える量を確保するために、絞ったジュースを減圧の下で3分の1~4分の1に濃縮し、キャリアーとしてマルトデキストリンを加え、スプレー乾燥させます。
この製法の最大の特徴は、生産工程で高温にさらされることがないため、タンパク質の栄養成分の変性が少なく、その結果、SODをはじめとするエンザイムの活性が保たれ、クロロフィルが生かされる点にあります。
また、絞ってジュースにすることで繊維成分を除去しているため、完全に水に溶け、口当たりがスムーズになります。
しかし、この製法にも問題がないわけではありません。
次の3つの問題点が挙げられます。
(1)一般生菌数の問題
絞ってジュースにして粉末にする工程に4時間ほど要しますが、その間、温度は 36~38度くらいで、この間に細菌の増殖があります。
そのため、温度の上昇1度くらいの差でできあがった製品を破棄しなければなりません。
(2)エッセンシャルオイル(フィトンチット)の残留が少ない
みなさんも手足を伸ばして草原に寝転んだときに、苗くさい華の香りをかいだことがあるのではないでしょうか?
その香りがフィトンチット・エッセンシャルイルと称されるテルペン類で、現在では強力な抗酸化作用や抗ストレス、精神安化作用を持っていることが判明しています。
しかし、この多くは絞ったジュースを濃縮していく工程で、水と一緒に揮発飛散してしまうのです。
(3)デキストリンの量
ジュースを粉末にするために、減圧濃縮の限界をデキストリンで補っています。
そのため、100%の麦若葉粉末とはいえません。
一般の大麦若葉を乾燥させ粉末にする製法
一方、市場では、「まずい! もう一杯!」の宣伝が功を奏したケールの青汁や、スプレー製法という時間と経費のかかることよりも、安く製品化して対抗しょうというメーカーも多数出現し、青汁ブームが起きて飛ぶように売れました。
ある製薬会社では、大麦若葉を直火で乾燥(140度に熱した鉄板の上で)させ、そのまま粉末にしてスティックに入れ、販売しています。
以来、同様の方法で粉末化したものが、中国・オーストリアで生産され、大量に輸入されていますが、栄養面からいえばスプレー製法には遠く及びません。
ではここで、一般の大麦若葉を乾燥させ粉末にする製法について具体的に紹介しましょう。
まず、25cmから35cmに生育した若葉を収穫し、水洗後、熱でブランチング(若葉を熱湯でゆで、クロロフィルを分解する酵素・クロロフィラーゼを失活させ、緑色を保つ方法)し、緑色を固定します。
その後、キルンという乾燥機で水分含有量が5%以下になるまで乾燥させ、パンチミル、ハンマーミルにて粉砕します。
この一般乾燥法の特徴としては、次の4点が挙げられます。
(1)100%の麦若葉の粉末ができる
ジュースからの粉末ではないので、デキストリンなどが不要です。
(2)熱処理をするため、一般生菌は少ない
(1)および(2)が、前述のスプレー製法に比べての利点となります。
(3)SODの働きが残っていない
熱処理をするため、タンパク質の成分は完全に変性してしまいます。
つまり、麦 若葉最大の特徴である抗酸化酵素SODなどの働きはまったく残っていません。
いわば「わら」の粉末で、ただの繊維(ファイバー)だけの食品になっています。
(4)エッセンシャルオイルがすべて飛散している
高温で処理するために、水分と同時に揮発性の物質であるエッセンシャルオイル はすべて飛散してしまいます。
以上の通り、麦若葉の乾燥粉末は不足しがちな繊維質(ファイバー)の補給としての利点はあっても、肝心の不足しやすいミネラルやビタミン、タンパク質SOD酵素等の栄養面からいえば、ジュースからのスプレー製法にはとうてい及ばない内容だといえます。
みなさんの知らない栄養の可能性と怖さ
受胎の瞬間から栄養が人生のシナリオにかかわる
栄養についてお話しする前に、みなさんに考えてもらいたいことがあります。
みなさんがこの世に誕生した日 - それはいつのことでしょうか?
母親の胎内から顔を出し、病院で「オギャー」と産声をあげたときでしょうか?
もしみなさんがその日を想像したとしたら、このことをぜひ覚えておいてください。
私たちの素晴らしい人生は、受胎の瞬間からすでに始まっているのだということを。
私たち人間の男性は、一回の性交で数千万から数億の精子を射精するといわれています。
そしてそれら膨大な数の精子は、みんなで力を合わせて子宮を進み、さまざまな障害(あるものは免疫細胞につかまって殺され、またあるものは繊毛に進行を阻まれて力尽きる)をくぐり抜け、生き残ったわずか数百ほどの精子が、受精の場である卵管膨大部に達します。
そこから今度は、卵子を取り囲む膜を、みんなで一丸となって溶かして進み、最後に受精できるのはたった一匹の精子です。
この受精の瞬間、私たちの人生は始まるのです。
さて、それでは「受胎の瞬間に人生が始まる」とはどういうことでしょうか。
ここで、ロジャー・ウイリアムス博士の言葉を紹介したいと思います。
「私たちの身体は、自分が食べたもの、飲んだもの以外のものからは何ひとつ創られません。 これは学問的に真実です」
私たちの身体を構成するすべての細胞は、私たちの摂取した栄養が生み出したものです。
これは、父親の精子や母親の卵子についても変わりません。
そして受精した瞬間、新しい栄養のシナリオの舞台がセットされるのです。
そして、ロジャー・ウイリアムス博士はこうも言っています。
「受精した卵細胞は新しい生命の青写真といえるだろう」と。
「しかしまだ計画の段階で、すべての構築が青写真に従って進むわけではない、もし母親となる人が非常に偏った栄養を摂ってしまえば、原料を供給できなかったり、あるいは完全につくることができなくなる。
その結果、流産や死産、奇形児や未熟児、早期出産などをもたらすことになるだろう」と。
ここではまず、その事実を端的に示すいくつかの実験報告を紹介したいと思います。
以下は、ロジャー・ウイリアムス博士の著書『からだの機能を開発する あなたの中のすばらしい世界』(泉谷希光監訳/中央公論社)からの引用です。
ビタミンAは、はじめにラットの成長と発育に必須であることが発見されました。
次に述べる実験は、たくさん子を産む雌豚で行わなければなりませんでした。
妊娠初期の雌豚にビタミンA欠乏の食餌を与えました。
11匹の腹の中の赤ちゃん豚はみんな眼球なしに生まれました。
また他の異常も見つかりました。
口蓋裂、辰口裂、耳の奇形、腎細胞の扁平異常などです。
研究者たちはビタミンAの欠乏だけでこの異常が生じるかどうかを確かめるために、同じ動物の2度目の妊娠前にビタミンAを大量に加えた餌を与えました。
その結果は劇的でした。
腹の子にはまったく異常はありませんでした(ラットが最もよい状態で繁殖するには、単に平均的な健康と正常な視力を維持するための必要な量の20倍ものビタミンAを必要とすることに注目してみると輿味があります)。
幸いにも人間では、妊娠中の母親が雌豚に与えたようなビタミンA欠乏の食事をとるようなことは、おそらくありません。(*今の日本ではおおいにあり得ます)
しかし、もしビタミンAのひどい欠乏が眼球欠損のような恐ろしい奇形の原因となり得るとしたら、軽い欠乏(しばしば生じている)は、明らかに重大な問題にならないにしても遂には重大な問題を引き起こすような欠陥の原因になる可能性が十分あります。
食物が不十分であると、結果として異常な繁殖をすることが、多くの動物実験で証明されています。
たとえばラットを使った実験で、健康な雌のラットが子を産むときに、ラットに必要なすべてのものからパントテン酸(成長と生命維持の化学物質の一つ)を除いたものを与えると、まったく子供を産まないことを科学者たちはみつけました。
雌のラットの卵子は受精され、発育が始まりましたが、決して完全なものにはなりませんでした。
健康な雌のラットの別のグループに、不適当というほどではないが少量のパントテン酸を与えると、40%が胎児を宿しました。
しかし、半分はひどい奇形でした。
さらに、もう一つ他のグループに多量(しかし、まだ、最適より少ない量)に与えると、95%が子を産み、そのごく少数だけが奇形でした。
実験から、多数の異なった奇形は葉酸の欠乏の結果であることが明らかになっています。
ある場合には、生まれてきた動物の95%が軽い欠乏の結果、奇形になります(葉酸が供給されなければ、子供は生まれません)。
ラットでは、14種類の骨格の奇形が、葉酸欠乏の結果として観察されています。
心臓と血管もまた奇形であるかもしれません。
時々、頭のない動物が生まれます。
時には、頭蓋骨の外部に脳があります。
また、ホルモンを生産する腺が奇形であったり、まったくなかったりすることもあります。
11頭のお母さん豚が出産する際、妊娠時からビタミンAを摂らずにいたら、生まれてきた赤ちゃん豚すべてが眼球を持っていなかった - この実験報告を聞いて、ビタミンAの重要性を痛感しない人はおそらくいないと思います。
今、日本の奇形児で多いのは、目がひとつしかない単眼症と、脳がない状態で生まれてくる無脳症です。
無脳症や未熟児の最大の原因は葉酸欠乏で、アメリカでは今から十数年前にl日400μg摂取するように勧告が出ています。
しかし、ここでみなさんに一番知っていただきたいことは、ビタミンAが、葉酸が、パントテン酸がいかに重要か、ということではありません。
「たったひとつの栄養素が欠乏しただけで」こうした恐ろしい結果を招くということです。
日本の平成16年の死産数は、厚生労働省の発表によると3万4372人にのぼります。
また、1歳未満の乳児死亡数の死因でもっとも多いのは「先天性奇形、変形および染色体異常」で、全体の約4割を占めています。
しかしこれはあくまで表面上のもので、実態はさらにひどいのが現状です。
たとえば、超音波技術の発達とともに(表面上の数字は)無脳症などが減少していますが、これは単に妊娠初期に判明した奇形による人工中絶が増加しているためなのです。
これらの原因が母親の食事にあるかもしれないということを、いったいどれだけの方がご存知でしょうか?
それほど大切な、私たちの身体そのものといってもいい栄義のことを、なぜ私たちはほとんど教えられていないのでしょうか?
日本で栄養というと、糖質・脂質・タンパク質といったカロリー源のことばかりで、後に詳しく紹介するミネラルやビタミン、必須脂肪酸、植物栄養物質(食物繊維など)などについての知識はさらに乏しいのが現状です。
しかし細胞そのものを正常に代謝させるには、こうしたものが何よりも重要なのです。
私たち日本人の食生活は、高度経済成長期を経て一見豊かになったように見えます。
しかし実は豊かになったのはカロリー源だけで、とくにミネラル・ビタミン不足は深刻な状況になっています。
食生活の変化に加え、食材ひとつひとつの栄養素が今と昔では全然違うのです。
現代の日本の食環境は、残念ながら栄養の知識がなくてもそれなりにバランスのとれた食事を摂取できるような状態ではとてもありません。
だからこそ、本来であればサプリメントによる栄養の補足は有効な手段となりうるはずですが、そこに落とし穴があります。
私たちはあまりにも栄養についての教育を受けず、無知であるために、「○○がよい! ○○が効く!」というセールスに簡単に振り回されてはお金を奪われ、健康を奪われているのです。
必要な栄養を摂り入れた身体は、驚くほど明確に応答します。
もし何かサプリメントを摂り入れて、3ヶ月の間にたいした反応を身体に感じなければ、見直す必要があります。
私たちは栄養について、もっともっと学ばなければならないのです。
当サイトではみなさんの知らない栄養の可能性と怖さについてお話ししたいと思います。


