「遺伝」はサプリメント、普段の食事で十分カバーできる
栄養というものがいかに子どもの出生に関して大事なものであるか、栄養というものがいかに早くから私たちり体に作用しているかということについては、当サイトの過去の記事をみればお分かりになると思います。
私たち日本人は、病院で産声をあげたときに「0歳」となりますが、実際には母親の胎内で最も大切な10ヶ月を過ごします。
中国や韓国などでは今でも生まれた年が1歳ですが、1950年施行の「年齢のとなえ方に関する法律」を受けて数え年をやめてしまった日本人は、「私たちはおなかの中で誕生するんだ」ということを、より強く意識させることが大切なのかもしれません。
自分たちが母親に、父親になったときに、きっとその意識が生きてくるように思います。
母胎にいるときの栄養の欠乏が、重大な問題を引き起こすかもしれない、逆により劣った栄養にもかかわらず、比較的健康な赤ん坊を産むこともあるかもしれない − しかし、劣った栄養で損傷を受けやすい子孫が10%でもいれば、それは非常に大きな問題です。
ロジャー・ウイリアム博士は、「動物実験によると、劣った栄養で損傷を受けやすいのは10%をはるかに超えており、何百万人もの人々の食事は子どもに重大な影響を与えるほど貧しい」と指摘しています。
では、母胎での栄養の欠乏で引き起こされた問題は、もう取り戻すことはできないのでしょうか?
ここで再び、ロジャー・ウイリアムス博士の著書『からだの機能を開発する あなたの中のすばらしい世界』から、「ルース・バーレル博士による二つのケース」についての言及を引用したいと思います。
9歳になっても逆書きをし、読書をしない一人の子供がいました。
血液の酵素の綿密な分析と、ヴァージ二アのリッチモンドの生化学者であるマリー・B・アレン博士によって考案された生検の標本から、この少年にはいくつかの重大な栄養が欠乏していることが示されました。
そこで、補給による食養生が開始されました。
この計画に基づいて5日後に、内科医である母親は、「奇跡的な」結果を告げるためにバーレル博士に電話をしました。
逆書きはなくなったのです!
三週間後、その少年は、学校で何らの特別の教育なしに、3年生に要求される読書能力をもつようになりました!
彼の病気にはいくつかの神経学上の歪みが含まれていて、栄養素がその問題を解決したと思われます。
この少年の病気には遺伝的基盤があったことは明らかですが、このことは適切な栄養の調整が効果があったことの妨げにはなりません。
第二のケースは、7歳でまだおしめをしていた少年のことです。
バーレル博士が、初めて彼に会ったとき、少年は、彼の両親を認めているようにも、彼の周囲に気づいているようにも見えませんでした。
彼は見たり聞いたりしているようなのですが、まるでそうでないような、非常に多くの行動をしました。
この子供の血液と生検標本もまたアレン博士が分析しました。
アレン博士は、特定の栄養の食養生が特定の欠乏を直すことを指摘した人です。
はじめの一ヶ月の間に、ほんの少しの改善がありました。
しかし、補給する量を増加すると − 2倍、そして、ある範囲内で3倍にしたとき − その効果は著しく、即座にあらわれました。
彼の両親は興奮して、彼は「電光のように振り向いた」と電話で報告しました。
彼は、最初に自分の両親を認め、ものの名前を覚え始めました。
そしてじきに、話し始めました。
彼は今、学校へ通い、読書をし、そして理性的に話すことができます。
予想通り、彼の知的能力にはむらがあるようです。
しかも、彼のIQは普通以下です。
いかがでしょうか?
このふたつのケースからわかることは、
- ●母親の栄養というものがいかに大きな影響を与えるかということ、
- ●そして生まれたあとでもあきらめずに栄養を与えれば、劇的に回復する可能性がある、
ということです。
栄養について遅れている日本では、同様のケースでも「遺伝ですね」ですまされてしまうかもしれません。
しかし、ここからもわかるように、栄養にはさまざまな素晴らしい可能性が満ちているのです。
人間は、1個の受精卵から細胞分裂を繰り返し、20歳前後には約60兆個の細胞を持つまでに成長するといわれています。
年齢にもよりますが、それらの細胞は皮膚なら28日位、胃なら100〜200日、骨なら4〜7年というそれぞれの周期で新陳代謝を繰り返しています。
私たちは、「私は太りやすい体質だから」とか、「子どもがアレルギー体質で」などというように、「体質」という言葉をよく使います。
まるで「これは生まれつきだから仕方がない」と言っているようなものですが、体質は決して「生まれつき」でも「仕方がない」ものでもありません。
体質とはその人の健康レベルであり、その人の器官や組織をつくりあげている細胞の質によって決まるものなのです。
つまり、1個1個の質をもっている細胞が約60兆個集まり、それが全身としてひとつの体質をつくっているわけです。
そして細胞の質は、血液の質によって決まり、血液の循環によって全身の細胞の質を支配します。
さらにこの血液の質は、その人が食べたものの質によって決まります。
したがって、「細胞の質とは、それをつくる栄養の質、つまり食べ物の質である」というのが、ロジャー・ウイリアムス博士の正常分子栄養学です。
それをウイリアムス博士は「あなたは、あなたが食べたものそのものです」という言葉で表しているのです。
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