日本では問題にされないマーガリンの害
脂肪酸については、忘れてはならない問題があります。
加熱しない自然の状態にある脂肪酸の型を「シス型」といいますが、これを加熱処理することでねじれた「トランス型」に変化してしまうことがわかっているのです。
すでにトランス型になっている脂肪酸の製品に、マーガリンとショートニングがあります。
以前、植物性だからバターよりマーガリンが体にいいと宣伝された時代がありましたが、生化学の研究者たちの貢献で、トランス型を体に摂り入れると、このトランス脂肪酸は何の役にも立たない不要の異物として体内に居座るばかりか、体にさまざまな害をもたらすとされています。
いまだにマーガリンが体によいと喜んで愛用している国は、先進国では日本だけです。
また、日本ではこうした害のあるマーガリンがクッキーやパン、ケーキ、スナック菓子、レトルトカレーなどさまざまな加工食品にも使われています。
厚生労働省は「第6次改訂 日本人の栄養所要量」にて、「トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDLコレステロール濃度の低下など、動脈硬化の危険性が増加すると報告されている」という警告文が出ましたが、どれだけの方がこのことをご存知でしょうか?
しかも食品業界、食用油業界に配慮したのか、警告文の表現を緩やかにしているのがありありとわかります。
欧米諸国の多くでは、当然これよりも格段に厳しい警告が出されており、ある一定以上のトランス型脂肪酸を含む製品を販売禁止にしたり、含有量表示を義務づけたりしています。
また、最近ではトランス型の脂肪酸を含まない新しいマーガリンが、「トランス・ファット・フリー」と表示されて販売されるようになりました。
ここでもうひとつ、トランス型脂肪酸の害について、日本人の認識がいかに遅れているかを示す事例を紹介しましょう。
アメリカのマクドナルド社は、2002年9月に「今後は心臓疾患などの原因とされるトランス型脂肪酸を減じた食用油を用い、2003年2月までにその作業を終える」と公表しました。
つまり、トランス型脂肪酸を減らすことが、消費者への大きな宣伝になるわけですから、この時点で消費者の認識が日本とは大きく違うことがわかります。
しかし残念ながら、マクドナルド社は2003年2月までに油の切り替えができず、そのことを適切に公表しませんでした。
その結果、「事実の公表が不十分で、利用した消費者に損害を与えた」と訴訟を起こされ、2005年2月、裁判所はマクドナルド社に全米心臓協会への寄付金など計850万ドル(約9億円)の支払いを命じたのです。
これだけ世界中でその害が常識とされていながら、なぜ日本では何の規制も知識の普及もなされていないのでしょうか?
国民の健康は二の次で業界団体の顔色ばかりうかがう厚生労働省は情けないとしかいいようがありません。
今よりも健康になりたいと思う方は、マーガリンやショートニングは避け、加熱調理する際にはサラダ油ではなく酸化しにくいオリーブ油(オメガ9)を使用してください。
そして外食や加工食品を控えるのはもちろん、肉ではなく魚を食べ、オメガ3の摂取割合を増やすべきです。
オメガ3のEPAはDHAに変化し、子どもの脳の成長と発達に欠かせない栄養素となりますから、妊娠中や授乳中にはさらに注意する必要があります。
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