食事改善で学力がアップした!
栄養素の充足・不足が学力に大きな影響を与えるということを裏づけた、面白い調査データをご紹介しましょう。
アメリカで1979年、ニューヨーク市の子どもたち100万人を対象に、食事に関する大調査が行われました。
ニューヨーク市学区では校内のカフェテリアで朝食と昼食をとる児童が多く、その子たちの食事の内容を変えてみて、学力にどんな影響があるかを4年にわたり調べたのです。
調査開始以前の校内カフェテリアの定番といえば、ハンバーガーにフレンチフライ、ホットドッグ、ポテトチップス、フルーツポンチ、チョコレートミルク、コカコーラといったものでした。
つまり子どもたちはずっと、そうしたものを食べてきたわけですが、調査を開始した最初の一年目は、まず飽和脂肪酸(コレステロールや中性脂肪を増やす脂肪酸で、動物性脂肪に多く含まれる)と砂糖の量を減らしました。
肉の脂肪部分をカットし、食品中に含まれている砂糖は11%以下にし、パンは食物繊維が豊富なものに代えたのです。
すると学力テストの平均点がいきなり39点から47点にアップしました。
これは当時の全米で考えても、1学区の平均点の年間アップ率としては、それまでの記録を塗りかえるものでした。
そして2年目には、1年目の変更に加え、合成着色料や合成甘味料を使った加工食品をカフェテリアから一掃しました。
その結果、平均点はさらに51点まで上昇したのです。
3年目はあえて何も変えず、2年目と同じ内容のメニューを続けてみたところ、平均点も2年目と同じ51点でした。
そして調査最後の4年目は、合成保存料(BHT・BHA)を添加している加工食品をシャットアウトしました。
すると平均点は再び上がり、55点に達したのです。
つまり調査開始前の成績に比べると16点もアップしたことになります。
この調査の分析に当たったアレキサンダー・ジエラス氏が、次のような証言を残しています。
「ニューヨーク学区はこの4年間に教師の給料を上げたわけではなく、教師1人当たりの学童数を減らしたわけでも、カリキュラム(教育課程)の内容を変えたわけでもありません。
変えたのは、学校内のカフェテリアの食事だけです。
にわかには信じがたいことですが、『食事のパワーが学力試験のスコアを押し上げた』といわざるをえません。
今ではカフェテリアで食事をする子どもたちが、成績面で学校のトップグループを形成しています。
カフェテリアを嫌って家から弁当を持ってくる子どもたちより、平均点が11点も上なのです」
家から持ってくる弁当というと、みなさんは「手作りのおかずが何種類も入って、栄養バランスがとれているのでは」と思うかもしれませんが、アメリカの、しかも多くの主婦が仕事をもっているニューヨークでは違います。
パンにハムやジャムを挟んだだけの簡単なサンドイッチや、ファストフード店と変わらない市販のハンバーガー&ポテトフライなど、調査以前の校内カフェテリアと似たような弁当がほとんどなのです。
子どもたちにとって食事がいかに大切か、膨大なデータをもとに実証してみせた非常に貴重な調査結果といえるのではないでしょうか。
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