植物性ミネラルを気にっている理由、金属ミネラルとの違い
小麦粉の精白ではじまったサプリメント
簡単に、サプリメントのはじまりについて説明しましょう。
私の知る限りですが、サプリメントという考え方の第一号は、アメリカ農務省が1941年に、精白した小麦粉にビタミンB群の添加許可を与えたことです。
アメリカではそれまで全粒粉の小麦粉でつくったパンを食べていたのですが、小麦粉を精白するようになってから体調の悪くなる人が増加しました。
その原因は、精白することで摂取できなくなった栄養素に問題があるのだろう、と考えられたのです。
馬鹿な話だとは思いませんか?
全粒粉のパンを食べれば済むはずなのに、わざわざ精白しておいて、具合が悪くなったから足りない栄養素を添加する!。
いかにもアメリカらしいお金儲けの仕方だと思います。
このときの発想の延長で、次々と新しいサプリメントが販売されるようになったのです。
では、私たち日本人の食べているお米の場合はどうでしょうか?
本来、お米とはもみ殻をとった状態の玄米のことを言います。
玄米は表皮・胚芽・胚乳の3つの部分から成り立っていますが、このうち表皮と胚芽を取り去り、胚乳だけになったものが、私たちが普段食べている精白米です。
しかし、玄米と精白米の栄養素を比較してみればわかるように、カロリーは玄米のほうが低いにもかかわらず、ビタミンやミネラル、食物繊維といった重要な栄養素のほとんどは胚芽と表皮に含まれているのです。
玄米食や全粒粉のパン、そして野菜を食べるのが一番よいにもかかわらず、いつの間にか企業は「これだけのビタミンを摂るには、野菜をこんなに食べなければいけない。このサプリメントなら3粒で済む」というように問題をすりかえているわけです。
あまりにも馬鹿げた話だとは思いませんか?
白米を食べてビタミンB、E、カルシウム、マグネシウム、カリウム……、とさまざまなサプリメントを摂取することを考えれば、玄米を食べるほうがはるかによいのは明らかなのです。
では、単に玄米ならよいかといえば、問題はそれほど単純ではありません。
たとえばもし農薬を使用していれば、玄米は農薬が最も多いところ(とくに胚芽)をわざわざ食べてしまうことになります。
果たしてその玄米は完全無農薬で育てられたものなのか、有機栽培なのか、ミネラルは十分に含まれているのか、などという点がとても重要になるのです。
残念ながら、今の日本でそのような理想的な玄米を手に入れることは非常に困難です。

しかし一方で、今の日本の農業に警鐘を鳴らし、自然農法の普及に尽力している方もいます。
NHKなどで時折目にする岩澤信夫先生もそのひとりで、私も実際に自然農法というものを見学に行きましたが、その理念と農法、そして収穫された稲の素晴らしさを目の前にして、非常に感銘を受けました。
そのため、現在、NPO法人癌コントロール協会でも、千葉県佐原市の藤崎さん農家にお願いして、岩澤先生の自然農法でつくられた玄米を取り寄せています。
金属ミネラルと植物ミネラルの大きな違い
さて、しかしまだまだ岩澤先生のような本当の自然農法を実践している農家がごく一握りにすぎないことは、みなさんもご存知の通りです。
かつて主食であった玄米は精白米となり、土を捨てた日本の農作物はどんどんミネラルを失っている、理想的な食材を求めても日本では手に入らない − そこで結局、話は元に戻って「サプリメントが必要」となってしまうわけです。
過去の記事でも詳しく述べたように、なかでももっとも現代人が不足し、かつ重要なのはミネラルです。
ビタミンが不足しても、体はミネラルを使ってその役割を代行することができますが、ミネラルがなくなればビタミンは正常な機能を果たすことができないからです。
こうしたことから、私は長年にわたってミネラルの重要性と、その効果的な摂取法について調べてきました。
そして、さまざまな調査や試行錯誤を重ねてきた結果、現在注目しているのが「植物ミネラル」なのです。
みなさんは、サプリメントで用いられているミネラルのほとんどが、鉱物の岩石や岩塩を粉砕精製したものや、湖水・海水から採取して精製した「金属ミネラル」であることをご存知でしょうか?
これに対し、「植物ミネラル」とは、簡単にいえば植物の堆積層から抽出したミネラルです。
これまで、医薬品やサプリメントに数多く用いられてきた金属ミネラルは、粒子が大きすぎて「吸収率が悪い」というのが薬学・栄養学一般の常識でした。
アメリカの栄養学の専門家たちは、金属ミネラルの吸収率は5〜8%という数字を出しています。
一方、植物ミネラルの吸収率は98%とされています。
植物ミネラルの粒子は極めて小さく、直径が川のマイナス9乗〜10のマイナス11乗m程しかありません。
これは赤血球の1万分の1、金属ミネラルと比較すれば2000〜10万分の1の直径です。
もし植物ミネラルがパチンコ玉だとすれば、金属ミネラルの大きさは直径15mの球体ということになりますから、いかに小さいかがわかっていただけると思います。
人間はもともと、地球上の食物連鎖の流れに従い、植物や動物を食べることによって栄養補給をするようにできています。
ですから、「人間の栄養素の起源は、すべて植物にある」といえます。
魚介類や肉類などの動物性食品も、それら動物が食べていたのは植物です。
そして植物は、根を介して土壌中のミネラルを吸収します。
植物が根から吸収した栄養素を使い、太陽の光を浴びて自らの体を合成する過程を光合成といいますが、この過程で、土壌に含まれていた金属ミネラルは小さな粒子の水溶性コロイド状ミネラルに変化し、人間にとって無害なものに変化するのです。
そしてこの変化したミネラルこそ人間の摂取すべき栄養素であるということは、みなさんにも理解していただけるのではないでしょうか。
人間の体はもともと、鉱物を食物として摂取するようにはできていません。
植物の体内を通っていない金属ミネラルを直接摂取しても、栄養として吸収しにくいのは当たり前なのです。
また、栄養になりにくいどころか、摂りすぎると毒になることさえあります。
ミネラルは、欠乏症と過剰症の中間にある、必要適当量の幅が狭い栄養素です。
そのため余分に摂取したミネラルは、ある程度までは体内に貯蔵されますが、限度を超えると中毒を起こしてしまいます。
一般的な金属ミネラルは、過剰摂取すると頭痛がしたり、ミネラル過剰症に陥ったりする危険性があります。
ですから、体によいものを勧めておきながら、その一方で 「摂りすぎないように」と注意しなければいけないことに、正直ジレンマも感じていたのです。
しかし植物ミネラルの場合、普通の顕微鏡では見えないほど微細な粒子が分散した状態になっており、吸収率が抜群に高いだけではなく、余ったミネラルは体外に排出されてしまいます。
野菜の食べ過ぎでミネラル過剰になる人がいないように、植物ミネラルの過剰摂取もありません。
私が植物ミネラルをとくに気に入っているのは、この点なのです。
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