1万種類以上も存在する「植物栄養物質」
サプリメントについて考えるときに、もうひとつ忘れてはならない栄養素があります。
それは「植物栄養物質」です。
植物栄養物質は、ビタミンやミネラルが発見しつくされた後の1980年以降、ものすごい勢いで研究が進められ、その成分と効果の解明ラッシュが現在も続いています。
近年、その名前をしきりに耳にするようになったポリフェノールやイソフラボン、カテキン、カロテノイド(カロチノイドともいう)などはみんな植物栄養物質で、その抗酸化力は活性酸素の攻撃から細胞を守り、癌や心臓病、動脈硬化などの予防と同時に、アンチ・エイジング(老化防止)にも有効であるとされています。
最近では、テレビや雑誌などで毎週のように新しい植物栄養物質が取り上げられ、それに呼応するように新しいサプリメントや健康食品も続々と販売されています。
では、そうしたサプリメントを購入することで、どれだけの効果があるのでしょうか?
植物栄養物質は、植物が土壌から水分や元素(ミネラル)を吸収し、光合成によって植物自身が害虫や有害光線から身を守るためにつくり出す物質だと考えられています。
これらは野菜や果物、穀物、豆類などに豊富に含まれており、その種類はなんと2000種類以上、細分化すれば1万種類以上になることがすでに判明しています。
ひとつの野菜、果物、穀類、豆類それぞれに数十から数百種類存在しており、たとえばニンニクだけで約210種類も含まれているのです。
植物栄養物質は、今や健康維持に非常に大事な栄養素であることが明らかとなっているわけですが、また同時に、現代の日本人が非常に不足している栄養素であるということも事実です。
それは前述したように、野菜そのものの栄養素が低下(植物栄養物質の原料となる土壌中のミネラル低下)していること、そして年々野菜摂取量が減少していることにあります。
しかしながら、そうはいっても「○○が体にいい」と聞いてはその情報に振り回されてしまうのは愚かです。
何しろ1万種類以上もあるわけですから、常に新しいネタを探しているマスコミや、新商品を売りつけたい企業にとっては、こんな便利なものはありません。
ひとつずつ取り上げていけば、何十年でも商売できます。
たとえばここで、カロテノイドについてみてみましょう。
αカロテン、βカロテン、γカロテン、リコピン、アスクキサンテン、カプサンチン、カブサイシン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、ルテイン − このうちのいくつかはみなさんも名前を聞いたことがあるかと思いますが、これらはすべてカロテノイド類であり、すでに600種類以上存在することがわかっています。
1993年には、
「βカロテン、ビタミンCの血中濃度が低いと心臓病のリスクが増加する」
「体内脂肪組織にβカロテンが多いと心臓病にかかる率が少ない」
などの研究報告が発表されたことで、βカロテンに注目が集まりました。
しかし同じように
「リコピンは非常に抗酸化力が高い」
「ルテインは視力の低下を抑える」
などなど、そうした情報が出るたびに摂取する栄養素を改めようとしてもきりがないことは、おわかりいただけるのではないでしょうか。
これらは結局のところ、1万種類以上にも及ぶ植物栄養物質 − つまりそれは植物の不思議な力・優れた栄養の力を解き明かすために細分化し、学問的な裏づけをとるための作業にすぎません。
大事なのは植物を体にいかに取り込むかということなのです。
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